- 作者: 河津幸英
- 出版社/メーカー: ジャパン・ミリタリー・レビュー
- 発売日: 2016/01/09
- メディア: 雑誌
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先進技術実証機、遂に初飛行へ(宮脇俊幸)
年度末納入予定の先進技術実証機(ATD-X)の初飛行が近づいている(ニュースでは2月とも)が、それについての解説記事。
検討はF-2開発決定後にスタートしており、開発決定はここ数年のことになるはず。
飛行実証というのは、「実際に飛ばして得たデータと事前の予測データの比較」が重要で、特に異なっていた場合のチェックがポイント。
なお、開発においては、以下の課題があるそうだ。
2006年以降、防衛省では「公共調達の適正化」の趣旨に鑑みて、長官指示に基づく調達相手方の選定を自粛しています。このため、F-2後継機の開発のために国内の企業力をいかにして結集させるかがかだいになります。
この点については、2014年6月に防衛省から公表された「防衛生産・技術基盤戦略」でも課題として明記されており、
(p.40)
戦闘機/爆撃機はいかに変貌するか(竹内修)
こちらは、日本以外も含めて、次世代(第6世代)の戦闘機についての予想。ステルス、レーザー、無人機などについて紹介。
無人機を運用する能力が求められるのは確実のようだが、空戦がどうなるかはまだ検討中。
「いずも」戦闘員1個大隊/1個飛行隊を搭載(多田智彦)
ひゅうが型と比較しながら、いずも型の特徴を解説。
対空、対潜の装備自体はやや低下しているが、航空機の運用能力や輸送力、指揮管制能力は高くなっている。燃料補給や洋上補給の能力もある。
日本、ロシア、中国がリードする『近未来戦車』(奈良原裕也)
昨年は、ロシアのアルマータ、韓国のK2、ドイツのレオパルト2A7などが話題になった。これに日米中の戦車も合わせて概要を紹介する記事。
M1A3は重力を軽量化し、エンジンをディーゼルに。10式は74式の更新なので、トランスポーターが共用。
革命的時速500kmの米陸軍将来ヘリFVL(石川潤一)
米陸軍がブラックホークやチヌークの代替わりとして採用予定のFVL(将来型垂直輸送機)。米三大メーカー他の提案を紹介。
面白いのはオスプレイの開発元であるベルの提案。V-280という案は、エンジンが固定でローターだけがティルトする。これは排気熱が吹き付けるというオスプレイの課題を解決すると共に、いつでもドアを広くあけることができる。
米海軍の最新艦内ITインフラ「CANES」(井上孝司)
米海軍の艦内ITインフラの最新版「CANES」の解説記事。
軍艦の記事というよりは、工場や社会インフラのITアップデートの話を読んでいるようだ。
米国の宇宙優勢に対抗する『ハード・キル』と『ソフト・キル』(小泉悠)
ロシアの宇宙措置は、対米「非対称措置」が原則となる。
2013年に打ち上げられた衛星「14F153」は、小型でありながら長期に渡り軌道を変更しており、効率の良いエンジンを積んでいるのではないかと言われている。これが対衛星攻撃兵器ではないかと疑われている。