k-takahashi's blog

個人雑記用

COVID-19対応過程にて

吉崎先生が8日付で書いたストーリー(フィクション)

<4月8日>(水)

●2021年7月、東京五輪が1年遅れで開催される頃、Covid-19のワクチンや特効薬はまだ開発されていない。それでも、さすがに検査の方法だけは進歩していて、誰がコロナに感染していて、誰がしていないかはすぐにわかるようになった。感染者が見つかったときの隔離や、その後の治療のノウハウもそれなりに前進した。

●その結果、すでにCovid-19抗体を持つ人たちが、人口の2割程度を占めていることが判明した。感染してから快癒した人、いつの間にか抗体を得ていた人など、いろいろなケースがあるのだけれども、その人たちはリスクフリーなのである。深夜の街を徘徊するもよし、海外旅行に出かけるもよし。抗体を持つ人たちはそのことに対する証明書を持ち、それは天下御免に行動できる印であった。

●そうでない人たちは、あいかわらず「不要不急の外出を避け」て、家の中でひっそりと暮らしていかざるを得なかった。いつかは抗体を持つ人口が全体の過半数を超え、そうなれば感染は完全に下火になるだろう。ところがそうなるまでには意外と時間を要した。「抗体のある/なし」で、世界は全く二分されることになってしまった。

●「抗体がある」というだけで、世の中はまったく有利になる。就職でも結婚でも、そうでない場合に比べてはるかに優遇される。もちろん、それは本人の努力によるものではなく、単なる運不運の問題に過ぎない。それでも自由に行動できる人とそうでない人の間には、いつの間にか能力差が生じてしまう。

●かくして世界は思いもかけない形で、支配階級と被支配階級ができてしまうのであった。

実際にはここまで簡単ではない(免疫の有効性の確度や変異体の問題もある。アナフィラキシーのように2度目の方が更に危険という可能性もある)が、先にかかったからということを利用して、中国なんかは国レベルで似たようなことをやろうとしている(というかやっている)。

他にも、不景気で困っている会社や人を中国が買い漁る、というのはリスクというよりは対策を考えないといけない問題になっているはず。アメリカが盛大に金を出しているのは、トランプ大統領の性格ということもあるが、安全保障の観点もあるのだろう。(なので、日本政府内で金を出し渋っている連中は、、、なんて陰謀論が出たりするわけだ。実際はリスク見積もりが盛大にずれているだけなんだろうけど)

 

ダークフューチャー的なストーリーにするなら、この「抗体持ち階層」がワクチンの開発を妨害しているとか、統計を操作して死亡率が上がっているかのような報道をするとかになるのかなあ。
「抗体持ち証明書があれば、仕事にありつける」となれば、いわゆる貧困層が一発逆転を狙って「コロナ・パーティ」を開いて、しかし何人かが悲惨な最期を遂げるとかいうロシアン・ルーレット的なエピソードも入れられる。
(そういうSFとか探せば結構あるだろう)


ダークフューチャーというか、確実に起こる話もある。 証明書の有効性を確認するために社会全体で厳格な本人認証が必要だ、とするのだ。そうすれば中露のような監視国家にとっては万々歳(事実上、政府による外出許可証として機能する。「証明書の確認が取れないので」と言えば、一時拘束も簡単。これが今までは人権上問題だとされていたが、コロナ対策という絶好の口実ができた)。香港やチベット・ウィグルの弾圧もより効率的になる。