- 作者: 小松左京,谷甲州
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/07/07
- メディア: 単行本
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未完成品。
前半は面白い。
移民・難民となった日本人と、亡命政府のようになりならがも活動を続ける日本政府。そんな中、異常気象による社会不安がきっかけとなって日本人排斥運動が増え始める。日本政府は旧日本列島付近にメガフロートを造ることを計画するが、中国は平然と侵略を続ける。
一方、異常気象の分析の結果、日本沈没を遠因とする地球寒冷化が進みつつあることが判明。
両問題の板挟みにあった日本政府は米国と同盟を結ぼうとするが……
ここまでは、谷甲州の得意分野をうまく生かした描写の積み重ねで、実に迫力がある。
が、問題はこのあと。ものすごい勢いでプロットが進み、そして数百年後のスペースコロニーの場面で終了。
もう、分かり易すぎるくらい明らかですが、映画合わせと尺合わせのために無理矢理終わらせている。
多分、米国との同盟策についても、細かく描写を積み重ね、やはりこれではうまくいかないということになり、C計画となるはずだったのだろう。この辺の描写がすっ飛ばされているので、説得力がないというよりも、そもそも何を言っているのかよく分からない。