k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 11月号

Newton (ニュートン) 2006年 11月号 [雑誌]

Newton (ニュートン) 2006年 11月号 [雑誌]

 特集は燃料電池燃料電池の仕組みの説明が分かりやすくされているのだが、それ以外にも面白い話が幾つか。


 まず、発電効率の話。火力発電が60%なのに対して、水素を使った場合は効率83%。ここまでは良く聞く話。ここで、水素ではなく化石燃料を使うと効率は約90%になる(但し、化石燃料を使うと二酸化炭素が出る。効率が高いので二酸化炭素排出量は減る)。さらに、水素と同じ理屈で炭素が使えた場合は、なんと効率がほぼ100%まであがるのだという。つまり、何らかの方法で炭素から電子を奪う触媒が作れれば、水素よりも10%以上効率があがるのだそうだ。

 この触媒が燃料電池の課題で、例えば、現在の技術で値段を無視して燃料電池自動車を作った場合、燃料電池の触媒である白金は約100グラム必要となる。そして、現時点で推定される地球の白金埋蔵量は約2万8千トン。つまり、車2億台分。ところが、現在車は約8億台ある。足りない。というわけ。

 そんな触媒候補の一つが酵素。いわゆる「バイオ燃料電池」である。酵素の場合には、さらに酵素自体に特異性がある(特定の物質としか反応しない)ので、正極陰極用の溶液を混ぜても大丈夫ということ。血液中にバイオ燃料電池の電極を入れれば、電気ができてしまうことになる。
(なお、現時点では、酵素の耐久性がきわめて低いのが課題)