パラサイト・イヴ

パラサイト・イヴ (新潮文庫)

　新潮文庫版が出たので再読。前に読んだのは、とメモを漁ってみたら、1997年でした。

　今読んでも結構面白いです。でも、本書の読み所は30ページ以上ある「新潮文庫版あとがき」。相変わらず、科学と小説の関係に拘る瀬名節です。いいかげん、拘りすぎだとも思うけれど、これが瀬名秀明の個性だから。

　ちなみに、私にとって科学はエンタテインメントたりうる。フィクションもエンタテインメントたり得る。科学小説もエンタテインメントである。私にとっては自明であるし、人間の全ての活動はエンタテインメントたりうるのだから、科学だけを例外扱いする必要はない。たんに、出来の良いものと悪いものがあるだけ。もちろん、悪用は厳に慎むべきであるが。