k-takahashi's blog

個人雑記用

10年ちょっと前の家庭用ゲームについて

http://d.hatena.ne.jp/mkaneda/20070724/1185215387 を見て思ったことを幾つか。間違いとかあったら御指摘下さい。

パソコンソフトで儲けた話

 黎明期に現金が流れ込んできたというエピソードは、洋の東西を問わず。「ダンジョンズ&ドリーマーズ」の70ページには、リチャード・ギャリオットがアカラベスで15万ドル(5ドル×3万本)手に入れたというエピソードが紹介されています。

コーエーの高価格ソフト

 当時の光栄のポリシーというのは「媒体(ゲーム機)が違っても同じゲームなのだから価値は同じ。故に価格も同じ」というものだったはず。当時から批判は強かったけれど、一応筋は通っていました。
なお、スーファミ後期にはFFやDQも1万でしたし、一番安く出せるはずの任天堂のソフトも9800円とかしてました。

任天堂商法

 ロイヤリティとか前渡し金とか在庫管理責任とかの話は、「新電子立国」あたりに書いてある通り。
 ゲームの種類と本数はファミコンの頃からコントロールされていましたが、大手はある程度裁量が認められていた。それがスーファミで完全支配下におかれてしまったわけです。
 あげくにN64(当初はウルトラ64とか言われていました)のセカンドパーティー構想(大ざっぱに言えば、任天堂が認めた優良会社だけがゲームを作れるという枠組み)とかも問題でした。今の岩田社長は大丈夫のようですが、当時の任天堂首脳陣は「良いゲームを作れるのは一部の優秀な人だけ」「任天堂とセカンドパーティ会社が、その優秀な人だ」とか言っていましたし、変なゲームに挑戦してみることに対して任天堂から非常に強い制約を受けていたというのもありました。
 そんなこんなで、かなりげんなり感がありましたが、天下の任天堂を批判できない時期だったわけです。

PS初期のソフト会社

 当時パソコンで3D系ゲームを作っていた会社は問題を抱えていました。というのは、3Dに強いX68000は数が少なく、市場の中心だったPC98はあまり3D向けではなかったからです。一方海外ではいわゆるDOS/V機上でマシンパワーにものを言わせたゲームが出始めていました。いわゆるCompaqショックで98のグラフィック性能も上がりましたが、なにしろWindows3.1自体がゲーム向けではなく、この辺のゲーム会社はかなり悩んでいました。そこに3Dばりばりのゲーム機が出るということで、そう言った会社は注目したようですし、SCEの側からもポリゴン系ゲームを作っていた会社には積極的に声をかけたようです。
 業務用ポリゴンゲームを作っていたナムコセガスーファミ向けにゲームを作っていた大手会社にも対しても働きかけはあったようです。「ソニーの革命児達」によれば1993年の5月〜8月頃にソフトメーカー回りをしたと書かれています。ただこの時は反応が鈍かったとのこと。スクウェアエニックスは乗り気でなかった様子が書かれています。
 ナムコについては、「パックマンのゲーム学入門」によれば、最初の会談は1992年で、この時はナムコからハードの話を持ちかけたということになっています。そして、ソニーから「実はうちでハードを作っていて」という話を打ち明けられたのだとか。初代PSの最終スペック決定にナムコの意向が大きく働いたという話も残っています。(RAMの容量をどうするかが、リッジが載るかどうかで決まった、という話。)
 微妙なのがセガで、92年〜93年頃に接触があったのはほぼ疑いないところなのですが、サターンでライバル関係になったためか話がほとんど表に出てきていません。


 当時のSCEはゲーム製作を音楽アルバム制作や映画制作になぞらえることがよくありました。金をかけた大衆向けのものもあれば、ニッチを狙ったものもありだ、と。そのための施策もずいぶん打たれていました。ニッチ向けを排除しないという姿勢が、前述のセカンドパーティ戦略と好対照でした。この辺の姿勢が、PS2、PS3となるにつれて薄れていく印象なのは残念。


最近はやっているゲーム

 なんでもかんでも動態センサー、というのは別に構わないと思っています。初代PSが出た頃に「なんでもかんでもポリゴンか?」という批判がありましたが、「別にいいじゃん」的な開き直りがあり(その最右翼が「麻神」だったりする)、しばらくして使い分けとか落ち着きましたから。持っているだけで疲れるような持ち方は、いずれされなくなるでしょう。
 それよりも、カジュアルゲームシリアスゲームへの偏りが過ぎるのが気になっています。http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0725/kaigai374.htm にあるように前向きに捉えることもできます*1し、お金も開発期間も少なくて済みますから経営視点からは悪くない話です。現状、日本が先行している形なので国際競争的にも比較的有利です。ただ、これは追いつかれるのは早いだろうし、それにケータイのゲームとの直接競争が始まると価格的にも不利になります。 で、競争が激しくなるからそちらにリソースを集中して、とかなると、私好みのゲームは減るなあ、とかちょっとだけ心配もあります。 でも、まあなんとかなるだろうな、とも。


 個人的にはCG能力のアップで、実写を使ったゲームが出ないかな、と思っています。「街」とか「アナザー・マインド」とか「ストールン・ソング」とか、実写ならではの味というのは、まだまだ使い道があるのではないかと。



 とか、まあ思いつくままに色々と。面白いゲームが色々と遊べればそれでいいんですけどね。

*1:私はちょっと懐疑的。この構想のためには、Wiiを一人一台にしなくてはならないから。現状一人一台になっている携帯電話と繋げてどうこうという話が多分必要になる。DSはそこまでするにはスペック不足。話はもうしていると思うけど、うまくいくかどうかは不明。