読み忘れ三国志

読み忘れ三国志 (小学館文庫)

　荒俣宏氏による、三国志小ネタ集。見落としがち、忘れがちになりそうなポイントを「ほほう」という感じでまとめてある、軽い一冊。元々雑誌連載記事で、それを5年前に単行本化し、今年文庫化された。空き時間にぽつぽつと読み進めて読了。

　面白かったのが、荒俣氏得意の五行思想絡みの解説。例えば、木火土金水の順序に従うならば、漢王朝（木）の次に来るのは「火」の性質を持つ王朝でなくてはならない。しかし太平道の旗印は「黄色」で土を意味し、この順序に合わない。だから、太平天国の乱は失敗することが、最初から示されているのだ、とかこういう調子。
　全体が軽い蘊蓄集な本なので、軽く読むのがよいかと。