k-takahashi's blog

個人雑記用

ウェブ時代5つの定理

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

 おなじみ梅田望夫氏の選んだ名言集。ドットコムバブル崩壊911テロを越えて、ウェブ開発の最前線を突き進む人達から何を学べばよいのかを、キーパーソンの名言集という形で表現した一冊。
 著者がところどころで指摘するように、ある程度宣伝的な要素を多分に含んだ言葉が多いけれど、それでも、「とにかく俺はこれを信じて進むぜ」という意気込みとセットになっているので、嘘っぽさが余り感じられないのが読んでいて嬉しくなってくる理由だろうか。「後ろ向きに考えるようになったら危険だ」と思っているならば、本棚にはしまわず、机の上とか枕元とかに置いておき、時々めくるようにすると良いと思う。本当のところ、この言葉を時々思い出したようなタイミングで表示してくれるウィジェットとかがあれば(そして、クリックすると、梅田さんの解説が表示されるようになっていれば)いいのにな、と思う。他の梅田さんの本と違って、これはウェブな人に伝わればいいのだから、そういう方法もあるのではないか。
 もちろん、ウェブの外に言葉を伝える手段として本が有効であることを梅田氏は知っているわけで、その辺の計算もあって書籍形式をとったのかもしれないけれど。


 私が面白いと思った(好きとはちょっと違う)言葉が、第5章にあったビノッド・コースラの言葉

エネルギー危機と気候危機とテロの危機に直面している。
その全てが石油とつながっている。
今こそビジネスが何かしなければならないときだ。
そのためには、投資を惹きつける経済的刺激が必要である。
それには、早い話、ウォールストリートを面白がらせればいい。
新しい技術や市場にウォールストリートが興奮すれば新しいビジネスが起こる。
石油業界は年に何千億ドルもの研究開発投資をしている。
では、石油エネルギーに代わるものをみつけるには、
どうすればいいかと言えば、解決策はシンプルだ。
投資家が同じレベルの資金を用立てなくてはならない。 (pp.233-234)

この言葉を聞いて嫌そうに顔をしかめる「立派な方々」が目に浮かぶようですが、こう言い切る気概は素直に凄いと思う。


 ところで、本書と並列に読んでいて、同時期に読了した本が一冊ある。それを次に。