k-takahashi's blog

個人雑記用

SFマガジン 2008年5月号

S-Fマガジン 2008年 05月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2008年 05月号 [雑誌]

 特集は海外SFTVドラマ。スタートレック(TNG)とX-FILEという2本の長寿番組が契機となって、SFTVドラマが大量に供給されるようになったというところから始まり、現在の概況まで。代表的なシリーズ、34本の紹介記事も掲載されている。多少なりとも見たのは半分くらいですかね。面白そうなタイトルはまだまだありそうだが、長寿シリーズは見るのが結構大変なんですよね。スター・ゲートなんか今から追いつけるんだろうか?


 さて、本号の目玉は、第3回日本SF評論賞受賞作の「阿修羅王は、なぜ少女か 光瀬龍百億の昼と千億の夜』の構造」。遠大な物語の裏には、極めて私小説的な理由があったという論考。光瀬龍が、漫画化の許可を求めてきた萩尾望都に向かって問うたという質問「ところで、阿修羅王って男でしたっけ、女でしたっけ」が実は深い意図を持っていた。萩尾望都ですら読み取れなかった、その意図と意味を解説する評論になっている。
 光瀬龍論として、当時のSF作家論として、ジェンダーSF論として、面白い評論でした。