- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/03/25
- メディア: 雑誌
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
さて、本号の目玉は、第3回日本SF評論賞受賞作の「阿修羅王は、なぜ少女か 光瀬龍『百億の昼と千億の夜』の構造」。遠大な物語の裏には、極めて私小説的な理由があったという論考。光瀬龍が、漫画化の許可を求めてきた萩尾望都に向かって問うたという質問「ところで、阿修羅王って男でしたっけ、女でしたっけ」が実は深い意図を持っていた。萩尾望都ですら読み取れなかった、その意図と意味を解説する評論になっている。
光瀬龍論として、当時のSF作家論として、ジェンダーSF論として、面白い評論でした。