k-takahashi's blog

個人雑記用

SFマガジン 2008年12月号

 ファンタジイ小特集は、初紹介の作家2名(ダニエル・イエブラハム、キジ・ジョンスン)の短編紹介。どちらも今年のヒューゴー賞ノヴェレット部門のノミネート作。どちらも面白かったですが、受賞作(テッド・チャン)には及ばないか。
 もう一作ヒューゴー賞作品が掲載されており、こちらはノヴェラ部門の「もろびと大地に坐して」(コニー・ウィルス)。こういう風に宗教家をおちょくるのが最近の流行なのかな。ファースト・コンタクトものですが、SF味は薄めで、クリスマス・ファンタジーという方が適切なんでしょう。(そう言えば、去年の12月号にもコニー・ウィルスのクリスマスものが載っていたな。)イラストが妙に本編に合っていた。


 ゼロ年代の単行本合わせで宇野常寛氏の対談記事が載っていた。要するに「あの時期にはラノベとギャルゲーしかなかった、なんてことはなくて、他にも着目すべき作品はあるぞ」ということらしい。


 興味深かったのが「大森望のSF観光局」。

いちばんスリリングだったのは、その大宮さんが司会の井上博明氏に突然質問したNippon2007の裏話。ワールドコン日本招致計画について井上氏から相談された野田さんは、柴野邸を訪ねた折、「国際SFシンポジウムの仇をとろうよ」といって柴野さんを焚きつけたらしい。なぜ”仇討ち”かと言えば、70年の国際SFシンポジウムでは、露骨な”柴野はずし”があり、野田さんはそれについてずっと忸怩たる思いを抱えていたからだという話から、その仕掛け人は大伴昌司だったという大宮説が披露されるのだが、(p.203)

この話、書かれたのを読んだのは初めて。