- 作者: 米沢嘉博
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/08/06
- メディア: 文庫
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戦後マンガを語るのは手塚治虫を語るのに近く、手塚マンガを語るのにSFを無視することはできないというのは分かるし、異世界を語るための方法論としてのSFと、子供達の人気を得るための方法論とがずれており手塚がそれにどう対応していったのかという風の読めばいいというのも分かるのだが、やはり知識不足はいかんともしがたい。
手塚のSF作品に多い、異世界における群像劇というのが、感情移入先が分かりにくく子どもには人気がなかった。そのため少年マンガには、舞台を派手にする小道具としてのSFが使われた、とか部分的には分かるんですが流れまではどうにも把握しきれない。
年代別に話を進めているのだが、内容の都合上時々同じ内容が前後して語られたりして、これがまた知識のない身にはつらい。
後の、藤子不二雄論に出てくる「白い/黒い」という言い回しが、すでに本書に現れているのは興味深かった。