- 出版社/メーカー: ジャパンミリタリーレビュー
- 発売日: 2009/04/10
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士気(例:フライトしないと士気がさがるので、できるだけ飛ぶ)、リスクマネジメント(例:着陸から離陸までの時間をできるだけ短くする、警報がなくても着陸コースはランダム化)、水(凍らせた500mlのペットボトルを2本ずつ持って出発)、日本食(現地の日本食レストランと契約していた)風呂、などなど細かい話が面白い。
「ミサイル警報装置(MWS)が反応した」という報道に対しても「日本で飛んでいててMWSがなることがあるんですよ。何に反応して作動するか分かりますか」という話が出てくる。(答え:水銀灯)
前月号に続いての「ちょーへいき」の実態解説は「DIME」。詳細は、http://obiekt.seesaa.net/article/117535350.html を参照。いまだに「たいかんきょほーしゅぎ」を信じている人がいる(そんなもん、時と場合によりけりだろう)というのが頭の痛いところ。
技術的に面白かったのがGPS衛星の記事。GPSの常時運用には最低24機の衛星が必要で、現在運用されているのが32機。ところが、とっくに更新するはずだった古い衛星が予想を超えて長寿命を誇ってしまい、そのあおりを食って新型への更新が滞ってしまい、下手をすると同時に複数の衛星がダウンしてしまう恐れが出ているのだそうだ。
衛星の状態を管理する方法や、危険度に合わせて衛星の位置を調整するスタッフの人達の仕事なども紹介されており、ドンガラを上げるのとシステムを運用するのとは別だということがよく分かる。調整役(GPSウィング)と運用役(1SOPS、2SOPS)で正確に書かれていないが200人以上、GPS衛星自体を監視する地上の監視局が20か所、これらが24時間体制で運用を行っている。
あとは、ワールドインフォーカスの菊池氏の記事が特殊部隊、黒井氏の記事が自衛隊情報部隊を扱っており、どちらも自衛隊が必要以上に情報を隠していることで要らぬ面倒を抱え込んでしまっていることを指摘しているのが興味深かった。「きゅーじょーきょー」の人に何を言っても無駄だというのは分かるけれど、これらの記事を読むともう少し公開した方が良いように感じられる。