k-takahashi's blog

個人雑記用

超弦領域

超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)

超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)

 2008年、年間日本SF傑作選。前年度分は随分遅くなったが、本年度分は6月に出ていた。夏のSF大会に間に合えばタイミングとしてはOKだと思う。できればこのペースを維持して頂きたい。


 序文から2か所ほど。

 前回、年間ベストの対象となる単発SF作品が非常に少ない、と愚痴を書いたが、少ないなら自分達で分母を増やしてしまおうということで、SF短編の公募を始めることにしました。

ということで、創元SF短編賞の創設となったようです。
http://www.tsogen.co.jp/news/2009/06/09060518.html
どのくらい応募があるのかな。「商業媒体未発表」「広義のSF短編」だから、ベースはかなり広いはずだけど。
本編中の「ムーンシャイン」(円城塔)が、この条件にかなった短編になっている。大森さんが色々と書いているけど、おそらく最初から賞創設狙いで仕掛けたんだろうなあ。

 なお、今回のタイトル『超弦領域』は、前巻の『エイダ』同様、山田正紀の長編SF『超弦世界のマリア』から前半を頂き、半村良『不可触領域』から後半をいただいて合成したもので、言葉自体にはまったく意味はありません。タイトルをつけるのが苦しくなるか、巻数が増えてどれがどれだか紛らわしくなるまでは、「SF的な響きだが深い意味はない漢字四文字のタイトル」路線で行く予定。

なるほど。


 中身は色々とすでに評されているので、個人的感想のみ。
「幻の絵の先生」(最相葉月)は、2008年にしか出せなかった創作短編。こういう作品を、同世代以外の人が書けるのは、分厚い伝記や研究書を出したときだけだよね。

 「全てはマグロのためだった」(Boichi)は、エスカレートタイプのホラSF。マンガ本編よりも著者のことばが泣かせる。

小学校の頃、私は実際にあるくる屋や年を上手に描く力がなかったので、「現代物」のマンガが描けませんでした。だから、いつも未来を舞台にしたマンガを描いていました。

これからも、まだまだ実力は足りない私ですが、SF漫画を描き続きけていきたいと思っております。昔は、現代が描けないから未来を描きましたが、今は、未来を愛しているから未来を描きます。

 「From the Nothing, With Love」(伊藤計劃)はSFマガジン掲載時に読んだが、改めて。本作品のみ「著者のことば」が無い。