k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2010年1月号

特集は、「スーパーノヴァブラックホール、ハイパーノヴァ」。
 ハイパーノヴァのメカニズムが面白い。太陽の25倍以上の質量を持つ星が起こす超新星爆発がハイパーノヴァで、通常のスーパーノヴァ超新星爆発)の10倍の規模を持つ。太陽の25倍以上の質量の星が重力崩壊を起こすと、中心部にブラックホールができる。このブラックホールが高速回転していたとき、降着円盤も高速回転を起こし、ブラックホールから強力なジェットを噴出する。このジェットが星を吹き飛ばすのだそうだ。なんというか、恒星破壊爆弾のメカニズムの説明を聞いているかのようだ。
 ブラックホールの方では、「第3のブラックホール」というのが面白かった。現在までに見つかっているブラックホールは、恒星の質量程度のものと銀河中心にある太陽の数百万倍規模のものの2種類しかない。なぜ中間のクラスのものがないのか、分かっていないのだそうだ。


 短信で面白かったのがD型異性体の話題。アミノ酸にD型とL型あり、地球上の生物はL型しか使えない。これをネタにしたSFはよく目にする。ところが、実はD型も使われていないわけではなく、細菌の細胞壁には一部D型も使われているのだそうだ。そして、L型をD型に変換する酵素も存在しており、環境変化への適応に利用している可能性もあるとのこと。(ハワード・ヒューズ研究所のラム博士によるPG合成酵素の研究から)


 小ネタは、「とうがらしで種は辛くない」というのが初耳だった。「辛くなりすぎないように種を取る」というのは私もやっていたので、ちょっとびっくり。実際は、辛いのは実の中央部分にある胎座と呼ばれる部位で、ここでカプサイシンが合成されるのだが、そこからはヘタの方を通って果皮の部分に伝わる。種の部分にはあまりカプサイシンはないのだそうだ。言われてみれば、種を取ると言って、この胎座の部分を取ってるな、実際。