- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: 新書
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さすがに、このタイトルで分かりやすい本では目も当てられないですが、そんなことはなく分かりやすい一冊になっています。
特別なことが書いてあるわけではなく、この手の本を何冊か読んだことのある人には内容的に目新しいところはないと思います。ようは、分かりやすく伝える技術を分かりやすく伝えている一冊ですので、そういう目で読むのがよいです。
ですので、帯にあるのが一番重要になる。
1.聞き手に「地図」を
2.内容の「見える化」
3.話の「柱と枝」作り
だいたい、これで尽きています。地図の中には「全体図」と「現在地」があるとかですね。
第5章の、非常に具体的な解説も面白いですが、具体論で面白かったのが、「第8章 日本語力を磨く」にあった「使いたくない言葉」。具体的には以下の語。
- そして
- ところで
- 話は変わるけど
- こうした中で
- いずれにしましても
- が
- したいと思います
- 実は
機械的に落とすのも芸のない話ですが、著者は、充分論理的な文章なら接続詞はいらないという主義なので、そのためのリストと思えばよいのでしょう。「つまり」は1回だけなどというのも同じくチェックに使える。
あとは、以下のような話も。
- 視聴者や読者よりも、取材先の方を向いて原稿を書いている記者がいる(p.76)
- (プレゼン資料に文を書かない)たとえ、短くても、文だと、聞き手がパワポを「読んでしまう」からです。読み始めると、発表者の声が耳に届かなくなります。(p.120)
ただ、読んでいると、所詮テレビの世界の話だな、とも思いました。久米宏とか、みのもんたとか、森永卓郎とかが、TV業界的にどうして重用されているかも説明されていますが、私の目からは「だからこいつらには速く退場してもらうべきなんだな」と見えますし。