k-takahashi's blog

個人雑記用

ヒー・イズ・レジェンド

ヒー・イズ・レジェンド (小学館文庫)

ヒー・イズ・レジェンド (小学館文庫)

 「激突」「ある日どこかで」「アイ・アム・レジェンド」「地獄の家」「縮みゆく人間」などで知られる作家リチャード・マシスン。そのマシスンのトリビュートとして編まれたアンソロジー。マシスンの作品をベースにして、前日譚、後日談、バリエーションなど様々。
 マシスンの上記作品は、直接読んだことが無くても内容は知っている人が多いはず。私も、直接読んだ記憶が無い作品でも中身は知っていたりする。なので、マシスンマニアでなくても、普通に短編集として楽しめるはず。
とは言え、書き手も編者もだいぶ熱が入っているようなので、全然知らない人だとさすがにつらいかも。


 個人的なお気に入りは「OK牧場の真実」。「ある日どこかで」のトリビュートで、主人公は、自殺した妻の自殺の原因を取り除くため、OK牧場の決闘の現場に赴く。結婚式を挙げたのが、「ホテル・デル・コロナド」だし、タイムトラベルの方法もそっくり。

 もう一つは「地獄の家にもう一度」。もう一度と言っておいて、実はマシスンの作品の前日譚なのだが、もちろん「もう一度」は読者体験の方。そして、作品設定上は3回行われた調査の2度目なので「もう一度」、という凝ったタイトル。この一作については、マシスンの方も読んでみたくなった。(と思ったら、絶版。とほほ)


 巻末の解説は瀬名秀明氏。意外なことに、「アイ・アム・レジェンド」のところに藤子先生のエピソードが書いてなかった。