k-takahashi's blog

個人雑記用

ニセ科学で人は死ぬ

助産師は、ビタミンKの代わりに「自然治癒力を促す」という錠剤を与えていた。錠剤は、助産師が所属する自然療法普及の団体が推奨するものだった。

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20100709-OYS1T00214.htm

 しかし、母親によると、助産師は最初の2回、ビタミンKを投与せずに錠剤を与え、母親にこれを伝えていなかった。3回目の時に「ビタミンKの代わりに(錠剤を)飲ませる」と説明したという。
 助産師が所属する団体は「自らの力で治癒に導く自然療法」をうたい、錠剤について「植物や鉱物などを希釈した液体を小さな砂糖の玉にしみこませたもの。適合すれば自然治癒力が揺り動かされ、体が良い方向へと向かう」と説明している。

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20100709-OYS1T00214.htm

団体の名前をこの段階で出さないのはまだしも、なぜ「ホメオパシー」という単語を出さないのかは理解に苦しむ。それでも、この母親の勇気ある告発がきっかけで「ホメオパシーで人が死ぬ」ことが報道されたことは評価できると思う。こんにゃくゼリーで大騒ぎした人達が、なぜ、あれよりも遙かに悪質なホメオパシーを放置するのかは理解できないが。


 医療事故と違って、明らかに不適切な行為を意図的に実施したこの助産師。法律手続き上、どこまでできるのか分からないが、再発を防ぐ方向にもっていってほしい。


 私の知る限り、ホメオパシーの肯定的な使い方はナイチンゲールが指摘した方法だけ。

ホメオパチー療法は素人女性の素人療法に根本的な改善をもたらした。というのは、その用薬法はまことに良く出来ており、かつその投薬には比較的害が少ないからである。その「丸薬」は、どうしても善行を施して満足したい人たちが必要とする一粒の愚行なのであろう。というわけで、どうしても他人に薬を与えたいという女性には、ホメオパチーの薬を与えさせるとよい。さしたる害とはならないであろう。

2009-08-10