k-takahashi's blog

個人雑記用

シンデレラは、なぜカボチャの馬車に乗ったのか?

シンデレラは、なぜカボチャの馬車に乗ったのか ~言葉の魔法~

シンデレラは、なぜカボチャの馬車に乗ったのか ~言葉の魔法~

シンデレラは、なぜカボチャの馬車にのったのか?
「声に出せば死ぬ」と噂される詩「トミノの地獄」を解読してみれば
雪女の誕生と、世界最大級の山岳遭難「八甲田山死の彷徨」との意外な関係
カミナリ様がトラのパンツを愛用するわけ
ミステリー好きの大詩人、萩原朔太郎が作中に秘める「菊の暗号」とは

と裏表紙にはあるが、本書の最初の話題は「花見」。花見と言えば桜。
「さくら」を「さ」+「くら」と分け、「さ」を田の神、「くら」を座すなわち「神霊の降りる場所」と解釈することができる。酒のサも、幸のサも、里のサも神霊を指すと考えることができる。
一方で、「さく」+「ら」と分ける考えもある。「裂く」、すなわちつぼみが裂けて花が咲く、母体の裂け目から新しい生命が出てくる、分かれる部分に魔術的象徴を読み取ることもできる。

こういった感じで、上記裏表紙に書かれているような様々な話題が、語源や文化、魔術などの碩学を踏まえて興味深く解説されていく。


元々は、ロール&ロール誌の連載だったものを、まとめたもの。
正直なところ連載を読んでいた頃は、それほど面白いものだとは思っていなかったのだが、一冊にきちんとまとまったものを読むと非常に楽しい。それこそ、雪に閉ざされた村落の家屋の中、暖炉や炬燵を囲んでこういう話を聞いたらさぞかし、と思った。


言葉遊びの好きな人、語源とかが好きな人は必読。


本書を使って「Wローズ」*1を遊んだらと一瞬妄想したが、私の手に負えるものではなさそうなので、妄想だけにとどめておこう。

*1:

ローズ・トゥ・ロード (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

ローズ・トゥ・ロード (ログインテーブルトークRPGシリーズ)