- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/06/25
- メディア: 雑誌
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ミクが星雲賞を受賞したのはもう3年も前の話で、正直「なぜ今になって?」と思ったのだが、
本特集が組まれた直接の要因は、トヨタが北米でカローラのCMに初音ミクを起用し、Supercellのryoによる代表的なミクアンセム「ワールドイズマイン」を使用したことにある。(p.45)
だそうで、なるほど、ヴァーチャルアイドルとCMというわけね、と一応納得。
笑ったのが、金子隆一氏による次の指摘。
最近では、猛烈な勢いでボカロ曲をポーランド語やベトナム語に訳す人々がいる。ここ半年ほどの間に、ポーランド語に訳されたボカロ曲の総量は、日本語に訳されたレムの作品の総量を上回ってしまったのではなかろうか(p.202)
SFセミナーレポートに、「ミリタリーSFの現在」(岡部いさく、堺三保)があり、
- ミリタリーSFとは、戦争小説の舞台を未来に置き換えて語るもの
- ミリタリーSFは高尚なSFなどではなく、大衆娯楽小説である
- SF設定の面白さが強い作品はミリタリーSFとは呼ばれなくなってしまう
なのだそうだ。おおむね納得。
でも、ここに『カイ』のシリーズをあげるなら、翻訳をなんとかして欲しいよなとも(別に、堺さんや岡部さんの責任ではないですが。)
なお、本書の冒頭は特集ではなく、『いま集合的無意識を』(神林長平)というエッセイ風小説。
暴走する知性は意識=フィクションで制御できるだろう、いまこの場で僕が言ったように。だが暴走する意識=フィクションをコントロールする術を人類は、おそらく、持っていない(p.24)