コマンドマガジン Vol.99(ゲーム付)『アイアン・ドリーム』
- 出版社/メーカー: 国際通信社
- 発売日: 2011/06/20
- メディア: 大型本
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歴史記事で興味深かったのが『隠されたターニングポイント スモレンスク戦再評価』(大木毅)。
ドイツのソ連侵攻は、第二装甲集団の南方旋回やモスクワ戦の遙か以前、1941年7月のスモレンスク戦の時点で、既に挫折していたとするテーゼを打ち出した学位論文(p.44)
が単行本として出版されたのがジョン・ストーエルの『バルバロッサ作戦と東方におけるドイツの敗北』という本。この記事はその本の内容紹介。
スモレンスク戦の時点で既にドイツの消耗が大きすぎ、勝ち目がなくなったのだというのが大雑把な内容である。
結構有力な学説で、今後定説となる可能性が高いのだそうだ。
だとすると、ドイツの総力戦転換がなんであんなに遅かったのか、というのがちょっと気になるけれど、それは多分別のところで述べられているのだろう。
徳岡正肇氏のコラムは勝利条件について。
まず、「相手を倒せば勝ち、自分が倒されたら負け」という単純な勝利条件がある。
次に、段階のある勝利というのがある。VP制がそれで、勝利の段階を扱えるようになったが分かりにくいという欠点がある。
そして、「平面に拡張された勝利条件」。例として『超人ロック』をあげ、「陣営の勝利」と「キャラクターの生存」の2軸を設けることで、プレイに幅ができたことをあげている。
そして、『勝利を目指すことが楽しいゲームであればこそ、ゲーム固有の楽しさが発生する』(p.69)とするのだが、一方で、
楽しむためにゲームをするのであれば、同じくらい楽しめるならゲームでなくてもいい、という結論を誘引するのだ。これに対し「楽しむためのゲーム」が「いいえ、ゲームでなくてはいけないんです」と訴え得る論点は、ほぼない。そして事実、PCやモバイルの世界では「ゲームのように楽しいエンターテインメント」が、急激にゲームのシェアを奪っている(p.69)
と見るのは、ソーシャルゲームにも詳しい徳岡氏らしい視点。