k-takahashi's blog

個人雑記用

Eclipse Phase

 SF大会の時に、岡和田さんから頂いた "Eclipse Phase"の同人誌(ここで紹介されているもの)をようやく読んだ。


 短編小説が3本と簡単な世界紹介が掲載されている。
ただ、体験会の時に一番「やっかいそうだな」と思った「人格がコピーされるとして、そういう世界での対人情報収集」というところは、残念ながらあまり触れられていなかった。そこにも絡むのだが、EPの面白い設定の一つである

■社会的評価
エクリプス・フェイズ世界での金銭は、絶対的規準としての共通貨幣である「クレジット」と、公的業績に応じた相対的権力としての「社会的評価」(REP)の二本立てになっている。

も、どうせ企業を立ち上げたという設定なら、もう少し小説内で語って欲しかったな、とも。


また、各作品とも、ある種の「超強いキャラ」が出てくるタイプで、プレイの参考になるのかどうかやや微妙。公式設定に出てくるような有名NPCのエピソードの場合は、その世界の人々が共有している知識(というか、ストーリー)という位置づけができるけれど、そうでない場合、そういうキャラの「標準からのズレ度」の認識が、参加者間で共有できないと危うい。


小説の舞台にするなら、興味深ければそれで良い。しかし、TRPG用であるならば、それは「素人が遊べるように」準備する必要がある。どんなに興味深そうであっても、遊べないのでは商品として失格である。*1
だから、プレイをする上で絶対に共有しておかなくてはならないところは、明示されている必要がある。できれば、ルールできっちりさせておくのがよい。EPの場合、それが何なのか、現時点では私にはよく分からない。上述のREPがシステムと結びついていれば、それがプレイの大きなヒントになるわけで、ただ「2つあります」よりも分かりやすい。
基本ルールブックをきちんと読めば分かるのかもしれないから、その辺は期待している。


個人的な要望としては、今の紹介キットを見れば誰か一人は確実に「タコ」をやるだろうから、「タコ小説」を入れて欲しかった。(半分冗談、半分本気。あのタコは明らかに色物ですが、「ちょっとうさんくさい仕事(廃品漁り)をしているトランスヒューマン(知性化動物)。知性化動物の権利向上と地球帰還を動機として有しており、怪しげな趣味(水墨画)を持っている」という、EPっぽいキャラだとも思います。彼を語れば、EPの色々なものが語れると思う。)
http://www.eclipsephase.com/sites/default/files/mercurialscavenger_1.jpg
(キャラシートは、http://eclipsephase.com/character-preview-mercurial-scavenger より)

*1:遊びにくいにもかかわらず、愛され続け、プレイされ続けているゲームも確かにある。でもあれは例外だってことを忘れてはいけない