k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2011年12月号

Newton (ニュートン) 2011年 12月号 [雑誌]

Newton (ニュートン) 2011年 12月号 [雑誌]

特集は「光速」。そして、編集長の後書きで「何ヶ月も前から編集作業を進めてきましたが、発売まで1か月をきった9月23日、光速にまつわる驚きのニュースが飛び込んできました」(p.144)と書かれているように、超光速ニュートリノ実験のことも記事が追加されている。


人類の光速測定の歴史(ガリレオ、レーマー、フィゾー)、有名なマイケルソン・モーリーの実験、相対論の解説、と続き。「光速cの値は、時間と空間の量を換算するための”為替レート”として、時間と空間を一つに結びつけている」(p.48)とまとめている。
そのあとで、超光速や光速度変化についての最先端の話題の紹介。波長による光速度変化の可能性は観測されなかったが、リー・スモーリン博士(空間に最小単位がある場合、光速は光のエネルギーにより変化する:ループ量子重力理論)、テッド・ジェイコブソン博士(時間と空間は等しくない:ホジャバ・ルフシッツ重力理論)、ジョアオ・マゲイジョ博士(宇宙誕生時のインフレーションのときは、光速は現在の値よりも速かった:光速変動理論)、など色々と研究はされている。


例の、CERNの実験については、小松准教授のコメント付きの4ページの記事が載っている。
但し、ニュートリノが超光速で移動できるという仮説を色々と考えてみても、1987Aのニュートリノ観測(16万光年かけて、ニュートリノと光速がほぼ同時に地球に到達した)結果との辻褄を合わせるのが難しいらしく、現状では実験自体が怪しいようだが追加実験待ち、という感じらしい


写真では、ウユニ塩原の写真が凄かった。ウェブ上だとここにあるが、標高3700メートルの地に広がる、面積1万2000平方キロの塩原。特筆すべきはその水平度で、全体の表面の高低差は50センチしかない。そのため雨が降ると水が薄く広がり、「天空の鏡」と言われる状態になる。天空の鏡状態になるには、雨が少しだけ降り(水深数センチ程度)、風がない状態が必要。
写真家の野町和嘉氏は、夜間の「銀河を映す鏡」を狙ったが天候の関係で撮れなかった。もし撮れたら、どんな写真になるんだろう。