- 作者: スティーブン・レヴィ,仲達志,池村千秋
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2011/12/16
- メディア: 単行本
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これが600ページ以上あり、長期にわたっての取材に裏付けられた一冊だった。基本的には梅田望夫とかが伝えていた「グーグル的なもの」と大きくずれているわけではないが、細かいだけに説得力がある。ああいうのを読んで、「本当に?」と思った人は、本書を読んでみるとよい。多分、答えがみつかる。(秘密主義、"Don't be Evil"、の背後にあるものがわかるはずだ。かなり一貫したものとして、Googleに深く関わっている。)
しかし、創業前からクレームを受けていたとは、さすがグーグルというか。本書にはグーグルが受け続けていたクレームが次から次へと紹介されていて、本書の三分の一くらいはこの話題かもしれない。「そういえば、GMailの時にもそんな騒動があったなあ」とある意味懐かしく感じたくらい。
サブタイトルの「追われる立場から追う立場へ」は、SNSのことを指していて、「誰かの後を追いかけるのはグーグルにとっては苦手なやりかたではないか?」ということになる。この辺の苦労っぷりは、次の本で書かれることになるのだろう。
中共問題も現在進行中の問題で、ネット検閲という観点からは事態は悪化し続けている。これも次の本の題材だろう。
一つ気になったのはモンテッソーリ教育の扱い。ブリンもペイジも同教育を受けていたところをグーグル的なものの出所と捉えているのだが、ちょっとそこへ持って行きすぎではないか、と感じた。モンテッソーリ法を英才教育として薦めているように読めてしまうのも引っかかりを感じた。