- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/04/11
- メディア: 文庫
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本書の「たったひとつの伝えたいこと」は
≪読者のことを考える≫
なのです。(p.185)
この分野の定番と言えばなんと言っても『理科系の作文技術』*1。30年以上前に書かれた本だが、今でも大学生の必読書と言える。私も学生の頃に読んだし、今でも本棚に並んでいる。細かい部分で古さを感じないでもないが、今でもその考え方は有効。
社会人になってから受けた研修で薦められたのが、『考える技術・書く技術』*2。これはかなり形式を重視するものだけれど、やはり有用。
実のところ、どれもそれほど違うことを書いているわけではない。本書も「数学」と付いてはいるけれどそれほど数学に特化してはおらず、他の2冊と大きな違いがあるわけではない。どう説明するかの違いがあるだけとも言える。
その意味ではどれを読んでも良いのだけれど、本書の特徴は3冊の中で一番コンパクトで読みやすいところ。普通に読んでも1〜2時間程度で読める。だから、学生の人はとにかく本書を買って、一回読んでおいて、そしてまとまった量の文章を一旦書き上げたら、本書を改めて紐解く。再読時なら1時間かからず読めるだろう。珈琲片手にでもよいし、帰りの電車の中でもよい。
そして推敲に入る。必ず役に立つはずだ。
二つだけ引用しておく。
文章は内容が大切だ。
だからこそ、
形式をきちんと整えなければならない(p.27)
文字にはメタ情報を付けましょう。
悪い例:メタ情報がない
PはC上にあるとしよう。上の例では、PとCという二つの文字が書かれていますが、それが何を意味しているかはわかりません。
改善例:メタ情報がある
点Pは曲線C上にあるとしよう。(p.100)
*1:
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