イギリスのブリストル大学の研究チームが、地球温暖化研究用に開発されたシミュレータ HadCM3L を使って、『中つ国』の気候を推測したという結果を発表した。
「ホビット庄（Shire）」の気候は、東欧の国ベラルーシや、英イングランド東部リンカンシャー（Lincolnshire）州やレスターシャー（Leicestershire）州に近く、「モルドール（Mordor）」の国は年間の平均気候が、米ロサンゼルス（Los Angeles）やテキサス（Texas）州、豪アリススプリングス（Alice Springs）とよく似ているという。
指輪物語「中つ国」の気候をシミュレーション、英ブリストル大 写真1枚 国際ニュース：AFPBB News
「中つ国」の1種族の「エルフ（Elves）」が「不死の国（Undying Lands）」へ西方に旅立つ船を「灰色港（Grey Havens）」から出航するのは、この港が偏東風の吹く地域に位置していることで説明できる。
指輪物語「中つ国」の気候をシミュレーション、英ブリストル大 写真1枚 国際ニュース：AFPBB News
といった感じで、架空世界を大まじめに検討した成果のようだ。
論文の著者は、茶のラダガスト（Radagast the Brown）と名乗っていて、実際に書いたのが誰なのかはバレバレだろうとは思うが、良い感じでノリノリ。
そして、とどめに
論文は英語の他に「エルフ語」や「ドワーフ語」にも「翻訳」されている。
指輪物語「中つ国」の気候をシミュレーション、英ブリストル大 写真1枚 国際ニュース：AFPBB News
だそうです。
ブリストル大学のリリース記事には、こんな記載もある。
“This work is a bit of fun, but it does have a serious side. A core part of our work here in Bristol involves using state-of-the-art climate models to simulate and understand the past climate of our Earth. By comparing our results to evidence of past climate change, for example from tree rings, ice cores, and ancient fossils of plants and animals, we can validate the climate models, and gain confidence in the accuracy of their predictions of future climate.”
2013: Middle Earth climate | News | University of Bristol
（適当訳：面白いだけじゃなくて、真面目な面もあるんだ。この研究の中核では、地球の過去の気候をシミュレートした最新モデルを使っている。シミュレート結果と過去の実際の気候変動とを比較してモデルの妥当性を検証できるんだ。そうすれば、将来の予測の精度について自信を持てるだろう。）
