k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2014年9月号

軍事研究 2014年 09月号 [雑誌]

軍事研究 2014年 09月号 [雑誌]

習近平共産党の「絶対支配」を鮮明化(田中三郎)

中共内の政治闘争の話は一般ニュースにもなっているけれど、中国の軍事改革の話題。

四月二日付『解放軍報』は第六面、七面を使って、十八名の大将あるいは中将が書いた習近平総書記を擁護する記事を掲載した。(p.36)

この記事が深刻さの表れでもあるようだ。

山寨』兵器!海賊版ならぬ「山賊版」(井上孝司)

中国兵器の、ソ連兵器のライセンス生産から国産化に到る過程の解説。

真実もプロパガンダも何もかもひっくるめて、中国製兵器に関して出回っているさまざまな情報に対して、どのように眺めるのがよいか。どのように向きあうのがよいか、という視点を示してみようと考えた。(p.50)

というちょっと変わった嗜好の記事。
ウクライナイスラエル、あとは民生向けと称した欧米諸国の機材とかが流れ込んでいる模様。

与那国島陸自新駐屯地(芦川淳)

沖縄レポート。

北朝鮮のミサイル発射の時、航空自衛隊PAC-3部隊と陸上自衛隊の緊急支援部隊が石垣島に展開した。あの頃を境に自衛隊に理解を示す市民が増えたのだという。(p.63)

あくまで著者の感想なので、きちんとした裏付けはなさそうだけれど、一エピソードとして。

泥沼の宗教戦争!「イラク内戦」(村上和巳)

ISIS周りについて、サダム時代から。スンニ派シーア派の対立が背後にあるが、その流れを一通り解説。フセイン時代の軍人はスンニ派がほとんどで、彼らがISISに流れ込んでいる、とか。

F-35、初の実戦配備は米海兵隊(石川潤一)

海兵隊航空解説記事の後編。機種毎、任務毎の解説記事。
EA-18Gグラウラーの後継機を選定せず、F-35Bの電子攻撃力に期待。
現在ホーネットやハリアーが搭載しているJDAM(1000ポンド、2000ポンド)のうち、F-35Bが搭載できるのは1000ポンド級まで。
ヘリからオスプレイへの転換は順調に進展しており、CH-46Eの残りは3個飛行隊のみ。特に潜水艦への補給・人員輸送への貢献は大きい。但し、車両搭載はできず、オスプレイ用の四輪駆動車の開発が別途進んでいる。

B-2の中国本土ステルス爆撃(軍事情報研究会)

有事の際、中国軍が航空戦力の温存策をとりゲリラ的な襲撃作戦を繰り返したら、という想定の分析。分析では、B-2なら侵攻爆撃可能となっている。

ブルーインパルス「五輪を描く」(鈴木昭雄)

例のオリンピックの五輪のエピソード紹介。

世上、二日酔いで飛んだという話もありますが、整備員を始め関係者の苦労を考えると、そんなことはまず考えられません。しかも本番は午後二時以降でした。私の知る限りでは前日も仲間はみんな緊張していたし、本当にいつもと違って晩酌もほんの少しでした。(p.158)

当時、東京はスモッグが酷くて、五、六回国立競技場で事前に訓練する機会がありましたが、スモッグでほとんど国立競技場が見えなかったのです。
(中略)
現地訓練の時に「描き終わりました」と指揮所に報告すると、「どこで描いたのか、見えない」と地上から言われたり、ですから、事前に「これなら、いい」という五輪のマークは一度も描けませんでした。(p.159)

世界最高性能『日本の多機能レーダー』(多田智彦)

多機能レーダーFCS-3シリーズは、計画分を含めるとアクティブ・フェーズド・アレイ方式では装備数が世界一なのだそうです。
米国のSPY-1シリーズの成功を受け、電子技術の進歩も取り入れたのがFCS-3。試験艦あすかを経て、ひゅうが級2隻、あきづき型4隻、いずも型2隻、そして25DD型にも2隻が予定されており、合計10隻になる。

ロシア軍装備更新計画:海洋・空中核戦力と宇宙戦力(小泉悠)

ロシアの、ICBM以外の核戦力と宇宙戦力の紹介記事。
潜水艦配備分は、730発以上に増加する見込み。
空中分は、射程2500キロのKh-55ミサイルを装備したTu-95MS、射程3000キロ以上と言われるKh-101ミサイルを装備したTu-95MSMが配備中。これが新型機(PAK-DA)に置き換わっていく見込みだが、ペースは速くはない模様。
宇宙は、新型ロケット「アンガラ」。モジュールを組み合わせて1.5トン〜35トンまでのペイロードに対応するロケットで、プロトンMが止まっているので実用化が急務となっている。

潜入取材:地獄のシリア内戦(桜木武史)

今年5月のシリア従軍(JM:ジェイシュ・アル=ムジャヒディーン)取材レポート。
取材は本当に大変そう。

機雷掃討艇「カタンパー」に乗る(斎木伸生)

自衛隊でもほとんど取材がない「機雷戦」について、フィンランドの新型「機雷掃討艇」カタンバーの取材記事。
船体はステルス対応しており、これは沿岸での活動が多く、敵から撃たれる可能性を無視できないからだそうだ。