バーン・ノーティスという映画に「弾丸を地面でバウンドさせて車を貫通する」というシーンがあるが、そんなことは可能なのだろうか?
映画に合わせて、9mmセミオートマチック拳銃を用意する。「車と銃、最高だな」とご機嫌な二人。
まず、それほど強力ではない9mm弾で車の床を撃ち抜けるのかの検証。直接撃ってみると、場所が良ければ抜けることが分かった。
次がバウンド。バウンドさせると角度も変わるし速度も落ちる。何度が最適か、という検証のため色々な角度で撃ってみる。結果、16度で発射、10度で反射、これで底板を抜けそうな速度が保てる。
そして、走らせながらでも同じ角度と速度になるかの実験。これもOK
最後に実車で実験。さすがにこれは無理で、何度撃っても弾丸はサスペンションにぶつかってしまい、床は貫通せず。
アシスタントチームは、映画でよくある「爆風に乗って特大ジャンプする」というシーンの検証。
まず比較用に人間のジャンプ距離を計測。キャリーとトリーをサンプルに、標準的なジャンプ(距離と滞空時間)を測る。もちろん、こういう時はグラントは駄目なわけです。
しばらくトレーニングを受けてから計測。なぜか大まじめに取り組むトリー。キャリーは3回平均で3m弱、トリーは5m弱。滞空時間は0.5秒。そして、二人とも筋肉痛を抱えながらラボに戻る。
しかし、0.5秒では短すぎて爆発とのタイミング合わせが困難。せめて、滞空時間を1秒にできないか?
二人はともかく、世界記録レベルならどうだろうか。それだと距離8m、滞空時間1秒くらいになる。ということで、こっちを参照にする。苦労した二人はお疲れ様。
さて、まず標準ジャンプ。窒素ガスを使った仕掛けでバスターを飛ばす。ガス圧を調整して、飛距離8m、滞空時間1秒に設定。
まず、バスターのジャンプに合わせて5kgのC4爆薬を15mの距離爆発させたが、全く効果なし。
次に、ANFO爆薬(爆速が遅い)を使ってみたが、こちらも効果なし。10キロでも同じ。
「やり過ぎがちょうどいい」という発想で、爆薬を45キロまで増やすが変化なし。この時点で伝説はBusted。
爆風を受けられるようにしたらどうなるかということで、バスターの背中に広げた毛布を取り付けるがこれも効果なし。
少し離れると爆風だけではそれほど力はかからない、ということなんですね。