三菱航空機および三菱重工業は11月11日、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の飛行試験機初号機による初飛行を実施しました。
http://www.mrj-japan.com/j/news/news_151111.html
初飛行では県営名古屋空港を離陸後、太平洋側の空域を利用し、上昇、下降、旋回などの基本特性の確認を約1時間半かけ実施しました。
おお、飛んでる、飛んでる。
今、世界のジェット旅客機が約2万機。これが20年後には約4万機になると予測されている。中でもRegionalと呼ばれる61〜100席クラスの旅客機は今後20年間で約5000機の新規需要があると予想されている。MRJが狙っているのはここ。米国の両岸をつなぐのはちょっと無理だが、パリやフランクフルトからなら欧州のほぼ全域をカバーできるといった航続距離になる。東京からだとグアム・北京・台北あたりがカバー範囲。
2020年の時点で、EMBとMRJの一騎打ちになる見込みで、ここでちゃんと作れていれば勝機は充分にあるという計画。
YS11の生産終了の1973年以降、ボーイング機で技術を研鑽してきた三菱だが、新興国の追い上げもあり全機とりまとめに挑むことにしたのがMRJ。航空機産業は波及効果も広く、労働集約型産業なので国策としても進めておきたいという事情もある。
それこそ半世紀ぶりとなる型式証明取得も必要だが、型式証明を審査する審査能力もまた海外から問われることになる。あとはよくロケットで指摘される海外向けマーケティング。力を入れているのは知っているが、ここも継続が必要。技術的な部分は、たぶん頑張ればなんとかなると思うがそういう制度・マーケティングは難関だろう。