Newton(ニュートン) 2016年 04 月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ニュートン・プレス
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (3件) を見る
緊急特集
重力波のニュースを臨時特集記事。4年前の記事をベースに最新情報を取り込んで再編集したもの。ベースとなる部分は共通だからだな。積み重ねが大事なのは科学も雑誌も同じ。
重力波の間接的な裏付けは、1974年のラッセル・ハルス博士とジャゼフ・テイラー博士の観測(中性子連星の公転周期が短くなっていることの観測)で得られていたが、今回のはやはり直接観測というのが大きい。
観測時のLIGOは計画性能の3割程度の能力だったそうで、これは「強い重力波は結構発生しているかも」という話に繋がるそうだ。
いずれにしても「重力波天文学」の今後は楽しみ。
反物質
村山斉教授のインタビューを中心にした解説記事。
1928年のディラックの「負のエネルギー状態」に始まり、1932年のアンダーソンの観測、加速器による生成と続く。
後半は、なぜ反物質がほとどないのかという問題について。
ニュートリノ振動がある → ニュートリノの移動速度は光速より遅い → ニュートリノより早く移動する人から見れば反ニュートリノにみえる →つまりニュートリノと反ニュートリノは同じものかも、という先端物理でよく出てくる「ぽかん」とするような話を紹介している。
福来博士、柳田博士による「レプトジェネシス」仮説の紹介。未発見の非常に重いニュートリノができ、これが崩壊したときにニュートリノの量がズレるという説。(何をどう観測するとこの仮説が分かるのかは、よく分からない。)
脳とニューロン
短期連載の脳シリーズの第1回。
脳神経細胞の信号伝達の仕組みとエネルギー供給、伝達物質の回収、といったメカニズムの解説。
脳が大飯食いなのはよく知られているが、通常時のニューロンの内外の電位差を維持するのにエネルギーが大量に使われているというのは知らなかった。