k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2016年4月号

Newton(ニュートン) 2016年 04 月号 [雑誌]

Newton(ニュートン) 2016年 04 月号 [雑誌]

緊急特集

重力波のニュースを臨時特集記事。4年前の記事をベースに最新情報を取り込んで再編集したもの。ベースとなる部分は共通だからだな。積み重ねが大事なのは科学も雑誌も同じ。
重力波の間接的な裏付けは、1974年のラッセル・ハルス博士とジャゼフ・テイラー博士の観測(中性子連星の公転周期が短くなっていることの観測)で得られていたが、今回のはやはり直接観測というのが大きい。
観測時のLIGOは計画性能の3割程度の能力だったそうで、これは「強い重力波は結構発生しているかも」という話に繋がるそうだ。
いずれにしても「重力波天文学」の今後は楽しみ。

反物質

村山斉教授のインタビューを中心にした解説記事。
1928年のディラックの「負のエネルギー状態」に始まり、1932年のアンダーソンの観測、加速器による生成と続く。


後半は、なぜ反物質がほとどないのかという問題について。
ニュートリノ振動がある → ニュートリノの移動速度は光速より遅い → ニュートリノより早く移動する人から見れば反ニュートリノにみえる →つまりニュートリノと反ニュートリノは同じものかも、という先端物理でよく出てくる「ぽかん」とするような話を紹介している。
福来博士、柳田博士による「レプトジェネシス」仮説の紹介。未発見の非常に重いニュートリノができ、これが崩壊したときにニュートリノの量がズレるという説。(何をどう観測するとこの仮説が分かるのかは、よく分からない。)

脳とニューロン

短期連載の脳シリーズの第1回。
神経細胞の信号伝達の仕組みとエネルギー供給、伝達物質の回収、といったメカニズムの解説。
脳が大飯食いなのはよく知られているが、通常時のニューロンの内外の電位差を維持するのにエネルギーが大量に使われているというのは知らなかった。

写真

アジアゾウ(森の中にいて、警戒心が強いのでなかなか写真が撮れない)とか、ギアナテーブルマウンテン&陥没穴とかの写真が興味深い。
落差979メートルのエンジェルフォールという滝。あまりにも落差があるため水が途中で切りとなって風に流されてしまうので、滝壺がない。その写真も掲載されている。

短信

固体水素はあったが、それが金属水素になるかも、という実験結果がエディンバラ大学のシンプソン博士等によって得られた。重水素に高圧を加えたところ、従来とは異なる反応をした、というもの。


無重力で筋力が衰える話はよく聞くが、JAXA東北大学が線虫で実験したところ、普通の細胞の内部(細胞骨格)にまで無重力の影響が及んでいたことが分かった。動かない臓器も影響を受ける可能性を示すもの。