- 作者: 西田宗千佳
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: 新書
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考えてみると、洗濯機やエアコンを買い換えたときにも、へえと思うことが多かった。
AV系やHEMSなら色々と知ってはいたけれど、白物家電となると正直あまり詳しくはないよな、とか思っているところに出てきたのが本書。面白い一冊でした。
シェーバーなんかだとCMとかで言っていることが、本当はどういうことなのかが分かる。(なぜ複数の刃が必要で、それがどんな機能を果たしているのか、とか)
扱っている家電は、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、炊飯器、テレビ、ビデオレコーダー、デジタルカメラ、エアコン、照明、電動シェーバー、マッサージチェア、トイレ、給湯器、電池、太陽電池、HEMS。
断片的には知っていたものもあるけれど、こうしてまとめられると「すごい」というのは確かにその通り。
- 「洗濯機の節水量(パナが発売した洗濯機の節水効果は、年に黒部ダムの10%分)」
- 「霜取り機能が必要になるのは日本独自(湿気が多い)だが、ヒーターと可燃性ガスを同時に扱うのは大変」
- 「冷蔵庫の野菜室を広くするためにコンプレッサーを最上部に移す。そのための振動対策」
- 「掃除機のブラシにわざと静電気を起こさせてゴミを集める」
- 「コードレス掃除機のバッテリーは、短時間に大電力が必要という特殊なもの」
- 「ロボット掃除機は、人と機械の協力というコンセプトで初めて実現」
- 「業務用電信レジは効率を高めるため、弁当メーカーと弁当容器の設計までしている」
- 「炊飯器の加熱管理は0.04秒刻み」
- 「土鍋で職人が炊く御飯は確かに美味しいが、既に土鍋ではできない炊き方に到達している」
- 「髭の固さは同じ太さの銅線と同じくらい」
- 「マッサージ機の19分の体験をストーリーと呼んでいる」
- 「マッサージ機の揉み玉の制御は2000分の1秒刻み」
- 「トイレの開発に使う疑似便は各社のノウハウ」
などなど。様々な問題の発掘とその解決の工夫は単純に面白いし、技術者の人達はホント尊敬します。(パナの作るトイレが「家電的」という指摘は納得。)
IoTの世界って、こういうのを活かしつつまとめるのかと思うと大変だ。
*1: パナソニック ロースター けむらん亭 ブラウン NF-RT1000-T