- 作者: ピーターワッツ,テッドチャン,嶋田洋一
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2013/10/31
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (26件) を見る
- 作者: ピーターワッツ,テッドチャン,嶋田洋一
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2013/10/31
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (18件) を見る
小説自体は
突如地球を包囲した65536個の流星の正体は、異星からの探査機だった。調査のために出発した宇宙船に乗り込むのは、吸血鬼、四重人格の言語学者、感覚器官を機械化した生物学者、平和主義者の軍人、そして脳の半分を失った男。
という凄い設定の話。
この設定とタイトルから容易に推測できるように、ファーストコンタクトで意思疎通ができず、かつクルー同士の間でも意思の疎通がおかしくなり、という展開になる。
下巻の末尾にはテッド・チャンによる解説が載っている。ちょっと引用すると、
あの作品で述べられていることにはほとんどあらゆる点で同意できないが、それでも一読をお勧めする。あれは同意できないことを確認する価値のある作品だ。
テッド・チャンでファーストコンタクトと言えば『あなたの人生の物語』*1。あれも言語学者が出てくる。もっともテーストは全然違う作品。
ハードSFとしては文句なく面白いのだけれど、正直なところ読みやすいとは言い難い。主人公は上記の「脳の半分を失った男」。普通の人とはモノゴトの捉え方が異なっているという設定。なので、信用できない語り手とまでは言わないけれど、正しく語れているかどうかがはなはだ怪しい。そして周囲もエイリアンも普通とは言い難い反応や行動をする。
そういう設定のなかで、「ある仮説」が検証されていくことになるのだが、これ以上はネタバレなので、気になる人は読んでください。
あるいは、この手のSFを読み慣れていないひとは、巻末のテッド・チャンの解説(ネタバレあり)を先に読んでもいいかもしれない。