k-takahashi's blog

個人雑記用

ロボットは東大に入れるか?

情報処理 2017年07月号

情報処理 2017年07月号

情報処理学会誌の7月号の小特集が『「ロボットは東大に入れるか」という企て』。
特集では、各教科の解法(ソルバー)の概要が簡単に紹介され、大雑把ではあるが何が解決され何が残課題かが語られている。
面白かったのが古文。まず古文を現代文に翻訳するのだが、翻訳学習コーパスが小さいのでここがあまりうまくなかったのだそうだ。

新井教授が問題視するのは「AIが問題文の意味を理解していないにもかかわらず、どうして8割もの高校生がAIに敗れてしまったのか」という点だ。

「AIの性能を上げている場合ではない」──東ロボくん開発者が危機感を募らせる、AIに勝てない中高生の読解力 - ITmedia NEWS

という問題提起も話題になったが、それについては、

もう一つのミッションがあった。それは、近未来AIが労働市場へ及ぼす影響を明らかにすることである。
(p.613)

と記している。つまりAI以下の読解力しか持たない人が対応しているペーパーワークはほぼ確実にAIによって代替されるだろう、その規模はどのくらいかということの見積もりになる。上記のITMediaでの発言はそれが「8割」という見積もりになるわけだ。