- 作者: レイ・フィスマン,ティム・サリバン,土方奈美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2013/12/14
- メディア: 単行本
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もちろん、究極的には「トレードオフ」「程度の問題」「状況による」というところになるわけだが、そこに至る部分を実例込みで知っているかどうかは、なんとかしようとするときには違いとなって現れるのだろう。
以下、引用しながら。
自分の優れた仕事が、全く評価されないことに腹を立てているこの人物こそ、ボルチモア市警にとって最も望ましい人材だ。(p.83)
教会のように従業員の動機付けと組織の目的が自然と一致することが期待できない組織では、すべてがしっかり噛み合うようにする必要性が高まる。(p.103)
組織の目的達成と個人の満足が必ずしも一致しない。それは治安や魂の救済などであっても。
マクドナルドで人生最高のポテトを食べた人はいないかもしれないが、マクドナルドでは絶対にお目にかからないようなまずいポテトを出す店もごまんとあるはずだ。(p.130)
画一性が求められる理由。
ルールを最小限に抑えるためのルール(p.138)
全くルールが無い組織はありえない。スカンクワークスであっても。
正しいのは主張の内容そのものというより、適正なバランスを見つける工夫や調整、状況変化への反応、組織自体の成長や変化に対応しようとする姿勢だ。(p.143)
単純な正解は無い。
まっとうな経営が実践されるようになると、工場長への権限委譲が進むことが確認された。(p.162)
ここでいう「経営」は管理のこと。管理の枠組みが整うと権限委譲が進んだ、というインドでの実験結果の紹介。
(管理職は、)ソフト情報を管理するために会議を開くという、組織に生きる人々にとって極めて重要だが不愉快な仕事を引き受けているのだ(p.180)
会議は今でも組織の現状を把握するのに最も有効なツールだ(p.194)
会議が仕事という実態と、それが重要である理由。
実験の名前を「コミュニティゲーム」にするだけで、「ウォール街ゲーム」とするより参加者は二倍も協力的になった。まったく同じゲームであるにも関わらず、自分がどのような文化に属しているかというヒントを少し変えるだけで、プレイヤーはそれに適応しようとするのである。(p.246)
企業文化がが重要な理由。ここでいっているゲームは心理実験のことで、同じ内容なのにタイトルを変えただけで被験者の行動が変わってしまったという例を紹介している。