魔法使いが非常に少ない世界。主人公のモーナは一応魔法使いなのだが、パン屋で働く14歳の少女。魔法もパンを焼いたり、ジンジャーブレッドを踊らせたりという簡単なもの。
そんなモーナが、朝、仕事のためにそのパン屋に行ったら死体が転がっていた。という出だし。
パン魔法を工夫して街を守る工夫や魔法使い狩りから逃げる辺りの冒険譚などは面白いし、体系立っていない魔法を使う苦労とか効果のあやふやさとかは興味深い。
一方、中学生ぐらいの女の子が主人公なのだが、何度も死体とか殺人が出てくるところや、最後の決着も小さな魔法の工夫「ではない」ところとか、ちょっとアンバランス感がある。(後書きとか解説とか読むと、コロナ禍ストレスの影響らしいが)
みんながみんな失敗して、そのせいでいま、スピンドルと私が英雄になったのだ(No.2995)
英雄的資質とは運の悪い習性でな(No.4420)
この辺を軸にシリーズ化したりするのかも。