k-takahashi's blog

個人雑記用

エンジニアのためのデザイン思考入門

エンジニアのためのデザイン思考入門

エンジニアのためのデザイン思考入門

今の職場で使える気は全然しないのだが、一方で「デザイン思考」というをある程度頭に入れておく必要性は疑いのないところ。幾つかウェブ解説とか読んでみたけれど、やはりある程度まとまったものが必要ということで本書を買ってみた。
(本格的なトレーニングを受けに行くのは困難だというのもある。会社でのそういうのは若者にやって貰う方が良いし)


ある程度は体系的に書かれているので頭の整理にはなるし、エピソードとかフレーズとか色々使えそうなものも多い。良い本だと思う。
「タテマエメソッド」とか「グループの生産性の幻想」とか「言葉が通じない」とか「SIPOC」とか。

何と言っても素晴らしいのが付録。「EDPで陥るワナ」と「対談:齋藤滋規x田中章愛」。「ワナ」の方は本編を読み終わってから、対談の方は本編を読む前に、読むといいと思う。
この対談は、本書の宣伝用と割り切ってウェブ公開してもいいと思う。
(「デザイン思考とメディアラボは対極だが、同じところもある」(p.298)という辺りは、説明として凄く腑に落ちた)


ただ、本書と実践との間の距離はわきまえる必要がある。本書を中途半端に読んだ上司が「ウチもこれからはデザイン思考だ!」とか押しつけるのは、まあいかにも起こりそうな駄目パターンだなと思った。
(というか、そうなりかねないような本。悪い意味で「意識高い系」っぽさが随所にあるので)


エンジニア系で「デザイン思考」に興味があるなら強くお薦め。若い人はその後で教育コースを目指すのがいい。(どういうタイミングでというのは本書を読んで決めれば良い。)