k-takahashi's blog

個人雑記用

夕食:ハンバーグ、積ん読:13冊

 夕食は赤坂のステーキくにでハンバーグ。俵型のハンバーグを目の前で切り割って鉄板に押しつけて仕上げる形なのはハングリータイガーとかと同じ。場所を考えると値段は安い方なのかな。ハンバーグにしてはややレア目に焼き上がっています。分煙が不徹底なのは減点。

デジタルゲーム学研究 第1巻 第1号

 日本デジタルゲーム学会の学会誌の創刊号。広がるのかぽしゃるのかはまだ分かりませんが、とにかくも創刊号発行おめでとうございます。デジタルゲームを専門にし、産業界発展への貢献を謳っているのが特徴ということになるのだろうか。

 個人的には「シリアス・ゲーム」という位置づけは嫌いだし、ゲームの面白さ・楽しさの根本を実際の社会生活にとって有用であることに求めるような安易な逃げ道を作ることになるという点から学会研究のありかたとしても批判的なのだが、「ゲーム脳」などというトンデモが幅を効かせている現在において、そこは学問的位置を認めさせる必要があるということでしかたないか。


 「ゲームという認識の枠組み」(井上明人)は、日本のゲーム研究の先行事例をまとめたサーベイ記事のようなもの。この種の内容について定本が無いのは大問題。
 ところで、本記事には、安田均多摩豊、鈴木、黒田といった、デジタルゲームを語る場合には懐かしい名前も出てくる。文献としては、「SFファンタジーゲームの世界」(安田均、1989)、「ゲーム的人生ろん」(鈴木銀一郎、1996)、「SIMULATOR 12号」(黒田幸弘、1984)などが出ている。多摩豊氏については、コンピュータゲームデザイン教本を引けばよいと思うのだけれど。黒田の文献は全引用文献中で、中沢新一氏のゼビウス論と並んで最も年代の古いものになっている。ログインの創刊が1984年(遊撃手とかBNNも多分その頃)だから、それより前となると月刊ASCIIに小さな記事があったかもしれない程度で、たしかにこの辺が「日本最古近辺」ということになるのだろう。(アスキーオセロリーグの第1回とかの記事を見たら、何かないだろうか?)


 しかし、いまだに "Rules of Play"が訳出されていないというのは、問題だよな。出たときにはすぐにでも和訳が出るような話だったので、それにあまえて放置(一応買ったんです)しておいたら、いつまでたっても出てこない。

世界最古の机上演習

 日本はゲーム研究の先進国である。昭和16年6月から11月にかけて、文献記録が残っている限りにおいて世界最初の机上演習が計画され実施された。同年4月近衛内閣は総力戦研究所を開学した。名称で誤解されるが、陸海軍の組織ではなく、机上演習を教育と研究の目的とした文民政策研究大学院大学である。30余名の入学者を含めて、80余名の机上演習参加者の多くは東京帝大法学部卒業など実務経験10年以上のエリートであった。
 この机上演習は陸軍の図上演習から分化した。図上演習とはウォーゲームのことである。東京裁判では、この机上演習で英米開戦を謀議したのではないかと審理された。しかしソ連軍検事が「これはゲームだ(遊戯だ)」と断定した。つまり机上演習が現代ゲームと認められたのである。

上述のデジタルゲーム学研究Vol.1 No.1の「現代ゲームの有性」(流通経済大学 市川新教授)からの引用である。

 この記述は本当なのだろうか。いくらなんでも1941年までだれも机上演習をしたことがなかった、とは信じられないのだけれど、これより以前の図演は文献記録が無いのだろうか。


 なお、ソ連軍検事が「これはゲームだ」と断定したのは、おそらく演習では日本が北進しておらず、これを意志決定と認めるとソ連の対日宣戦の正当性が犯されると判断したからではないか、と思うのだが、これは推測。東京裁判記録がどこかで電子化されていれば、この辺も確認できるのだが。