k-takahashi's blog

個人雑記用

世界最古の机上演習

 日本はゲーム研究の先進国である。昭和16年6月から11月にかけて、文献記録が残っている限りにおいて世界最初の机上演習が計画され実施された。同年4月近衛内閣は総力戦研究所を開学した。名称で誤解されるが、陸海軍の組織ではなく、机上演習を教育と研究の目的とした文民政策研究大学院大学である。30余名の入学者を含めて、80余名の机上演習参加者の多くは東京帝大法学部卒業など実務経験10年以上のエリートであった。
 この机上演習は陸軍の図上演習から分化した。図上演習とはウォーゲームのことである。東京裁判では、この机上演習で英米開戦を謀議したのではないかと審理された。しかしソ連軍検事が「これはゲームだ(遊戯だ)」と断定した。つまり机上演習が現代ゲームと認められたのである。

上述のデジタルゲーム学研究Vol.1 No.1の「現代ゲームの有性」(流通経済大学 市川新教授)からの引用である。

 この記述は本当なのだろうか。いくらなんでも1941年までだれも机上演習をしたことがなかった、とは信じられないのだけれど、これより以前の図演は文献記録が無いのだろうか。


 なお、ソ連軍検事が「これはゲームだ」と断定したのは、おそらく演習では日本が北進しておらず、これを意志決定と認めるとソ連の対日宣戦の正当性が犯されると判断したからではないか、と思うのだが、これは推測。東京裁判記録がどこかで電子化されていれば、この辺も確認できるのだが。