ニュートン 2012年7月号
Newton (ニュートン) 2012年 07月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ニュートンプレス
- 発売日: 2012/05/26
- メディア: 雑誌
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素粒子
特集は素粒子。メインはLHCで、LHCが何をやっているのかの説明に多くの紙幅を割いている。歴史とか実験内容とかは別に新規の話ではないけれど、まとめかたは丁寧。
例によって先端物理なので、途中からは煙に巻かれている気分が味わえる。ヒッグス粒子がみつかるかどうかという実験をしている真っ最中に、ヒッグス粒子の超対称性粒子であるヒグシーノなんていうのが出てきていて、それが複数あるかもとか、もうね。
インタビューが多く、CERNのホイヤー所長、ATLASのジアノッティ代表に始まり、若手の日本人学者のショートインタビューも複数。(中田達也、堀正樹、増渕達也、中村浩二、津野総司)
また、記事中には、湯川、朝永、小柴、南部、と歴代の日本人ノーベル賞受賞者との関連も書かれている。
この作りは、特に若い読者向けにはいいな、と思った。
ガン探知犬
以前、患者の呼気を分析して病気の診断に使うという記事がニュートンに出ていたと思うが、既に実証実験に進んでいるという記事が載っていた。
日本医科大の人の尿を使った実験で、96.5%の結果が出たそうだ。
追加実験はこれからのようだが、面白い成果。
ロール&ロール 92号
- 作者: アークライト
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2012/05/18
- メディア: 大型本
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タコも出てくることだし、一度内輪でやってみますかね。
「アーカム計画」は、クトゥルフのシナリオグラムというランダムシナリオ作成ツール。
クトゥルフのシナリオは、商業・同人含めてかなりの数が出ているし、ウェブでもかなり拾えるから「シナリオが浮かばないから」という需要が本当にあるのかどうかはちょっと疑問。
それよりは、よくあるストーリーをシナリオスタイルに落とし込むためのテンプレート&チェックリストの形式の方が良いと思う。ランダムチャートからのアレンジがすらすらできるような人は、シナリオ作成に困らないと思うんだけどな。
安田均のゲーム航海日誌 第5回
さて、今号で一番興味深かったのが、この安田均氏のコラム。
2ページなので、どこかに全部掲載してくれても良いと思うのだけれど。幾つか抜き書き。
1970年代後半、RPGがベイで登場したのを知ったとき、ぼくはまず、そのストーリーとの連関に注意を奪われた。
(中略)
「ストーリーをゲーム化する装置」として、RPGというのはどういうものなのか、という点にすごく興味を持った。
もっとも、RPGがどういうものかわかってくると、ちょっとちがうな、と理解は出来たのだが、そうはいってもそうした興味の持ち方から入ったので、初期はそれですっぱしった部分があるのは否めない。それが、「『D&D』より『トラベラー」で、最初のRPG紹介を行う」「小説とコンピュータゲームの接点として『遊撃手』『BUG NEWS』といった雑誌、『神話製作機械論』のような評論紹介書に力を入れる」といった部分になったのだろう。
(中略)
RPGのストーリーは、ストーリーからゲームへと流れるのではない。
ストーリー(というより背景世界)は重要だが、むしろゲームからストーリーが醸成されていくといった方が正しい。
(中略)
やがて、シナリオやプレイ感覚がマンネリに堕していくのは、ぼくのみならず、誰もが経験することだと思う。
(pp.116-117)
そのあとに、ゲームシステムがあってそれに乗った上で少々演出すればそれがストーリーになる、という話が続く。で、現代はそういったものをダウンサイジングするのが大事で、そういうゲームを作るのだという決意表明になっていって、別にそれがおかしいとは思わないのだけれど、「それ、D&Dだよねえ」とちょっと不思議に感じながら読んでいた。なんか、説明をすっ飛ばしているのかなと思う。(特に一回性/反復性、のところとか。言っていることは分かるけれど、なんか問題の切り方に違和感を感じる。)
安田先生のこのコラム。とにかく分量不足感が強いので、がっつりまとまった量の文章が読みたい。久しぶりに、一冊書き下ろしとかしませんか?>安田先生