- 作者: 金子隆一
- 出版社/メーカー: 八幡書店
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
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タイトルからはトンデモ系に見えるかもしれないが、そこは金子氏、文化論から初めて、老いと死のメカニズムを説明し、人工臓器の現状や遺伝子研究に触れ、現状できること、将来できるようになること、そして将来あるべき姿にまで筆を進める。
科学書としても非常に面白いのだが、それとは別にネタ集としても面白い。
神仙道における不老不死に関わるFAQ(pp.43-46)は爆笑ものだが、不老不死のエピソードは他にも愉快なものが多い。
人体にチンパンジーの睾丸を移植することで若返りを図った事例(p.63)は、 1920年代のフランスで実施されたというから、ほとんどクトゥルフネタである。(おまけに、発症こそしなかったが、エイズやエボラ出血熱がこのタイミングで襲いかかってきた可能性すらあるのだと言う。)
怪しげな回春術は、最近の日本でも起きている。 2001年にはベニクラゲの細胞が不老細胞であることが確認されたが、これにまつわる怪しげな話が絶えなかったそうだ。
最後の結論はサイバー化だが、とにかく知的に面白くネタ度も高いお薦めの一冊。