k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2007年5月号

 特集はカンブリア爆発。カンブリアモンスターの実寸大のイラスト集が楽しい。アノマロカリスのずば抜けた大きさが印象的。オパビニアって結構小さいな、とか。
 眼と硬組織がカンブリアモンスターを特徴付けているのだが、どちらも謎がある。パーカー博士は「眼の誕生が硬組織を持つ生物を出現させた」という説を唱えているが、一方でカンブリア爆発の最初期に微少硬骨格化石群という硬い化石群が見つかっており、順番がすんなり納得できない。ややこしいのは、この微少硬骨格化石の成分が、炭酸塩・リン酸塩・シリカと3種類もあること。なぜ3種類も同時期に、と疑問を感じてしまう。
 遺伝子の分析からは、遺伝子の多様化はカンブリア爆発よりも前の時期、今から10億年前頃に起こっている。つまり、カンブリア爆発は遺伝子の変化ではなく、外的要因が理由と思えるのだが、これにあたるような外的要因が見つかっていない。全地球凍結もカンブリア爆発とは1億年以上離れているし、リンの増加もリン以外の硬骨格の説明が付かない。
 まだまだ謎は続く、というところなのだろう。


 写真は、カッシーニの撮った土星写真集が綺麗。特に、20,21ページの、リングの影が落ちた土星を背景にした衛星の写真や17ページの太陽を背後に隠した土星の全景写真とか、素晴らしい。キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」は木星を舞台に変更していたが、もし土星を舞台にしたままだったら、こういう絵が作られていたのだろう。