k-takahashi's blog

個人雑記用

事業計画書の読み方書き方がよーく分かる本

 別に起業しようとか、ベンチャーキャピタリングの仕事を始めたとか、いうことではないのですが、最近は「事業計画をたてる人たち」向けの売り込みやプレゼンが増えてきたので、「ならば彼等が作る資料はどういうものか?」を知ろうと思ったのです。 そこに取り込みやすいようにしておけば、話も聞いて貰いやすくなるはず、という目論見もありますし。


 そういう観点からは、良い入門書でした。企画から資金計画とかまで一通りの内容について、起業家が考えなくてはならないことが整理されていて、分かったとまでは言いませんが、一通りを知ることができました。 読者は、著者のページから関連書類(企画書のサンプルや資金計画シミュレーションのためのエクセルシートなど)をダウンロードして、色々と試してみることもできます。

 「事業コンセプトを固める10の問」というチェックリストがあり、

  1. 顧客は誰か?
  2. 顧客のニーズは何か?
  3. 顧客に情報提供する価値は何か?
  4. 競合は誰か?
  5. 差別化のポイントは何か?
  6. 商品・サービスの内容は?
  7. 業務フローはどうあるべきか?
  8. 事業の成果を測る指標(KPI)は何か?
  9. 事業のリスクは何か?
  10. 今後の収益成長の見込みはどうか?

というもの。番号順にチェックしていき、ひっかかったらさかのぼって再検討しなさい、となっている。それぞれの項目を「典型的な間違い」実例を含めて説明してくれいるし、チェックの仕方も解説している。「顧客は誰か?」で言えば、典型的な間違いは「広すぎる」ことで、例えば「金融機関」、「女子高生」というのはだめ。そうではなくて、「金融機関の○○業務」とか「○○に関心を持ち△△する女子高生」がよい、というように解説してくれる。


 私のそもそもの目的で言えば、これがさっぱり分からないようなプレゼンを事業者にしてしまうのでは衛生理論的にアウトということであり、このリストの作成に役立つような提案を持っていけば、話を聞いて貰いやすくなるわけです。似たような立場の方は、デスクサイドとか部門共有本棚とかに置いて損はないと思います。