Newton (ニュートン) 2007年 08月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ニュートンプレス
- 発売日: 2007/06/26
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一方、ミランコビッチ・サイクル(太陽放射の変化)やヒートアイランド現象(都市部の体感的な温暖化の原因は多分こちらが大きい)もきちんと説明し、その上で温暖化ガスの影響を説明している。
スタンフォード大学のスティーブン・シュナイダーのインタビューも載っている。無病誤診/有病誤診の説明もしっかりしており、無病誤診を冒すリスクは取るべきだという主張をしている。
スピッツァー望遠鏡の写真も掲載されている。86ページの宇宙の巨大な目の写真(NGC7293を赤外線撮影したもの)は印象的。普通はhttp://www.astroarts.co.jp/news/2003/05/15helix/index-j.shtml にあるような写真なのだが、赤外線でとるとこんな感じになるらしい。
他には、現在のCPUの熱密度(単位時間に発生する熱を面積で割った値)が原子炉表面並だとか(p.12)、大きさ0.65マイクロメートルもあるミミウィルスとか(あまりにも巨大なため、発見時には細菌と思われていた)。
驚いたのは、光化学スモッグの記事。2007年5月8日、9日に光化学オキシダント注意報(光化学スモッグ注意報)が出ていたのだが、その原因は大きく3つと書かれている。一つは温暖化の影響、二つはVOCの比率増加によるオゾン濃度増加、三つ目が越境汚染。
記事中では、国立環境研究所の大原利眞室長らのグループによる、中国東岸から流れ出たオゾンが日本を覆うというシミュレーション結果が紹介されている。実際の観測データを持つJAXAは、「出所は分からない」という慎重な言い方をしていたが、やはり中国発の可能性が高いということなのだろうか。まあ、いずれ原因は分かるのだろう。(中国発かVOC由来か、どちらが主原因か。解析技術は温暖化解析の技術が流用できる。)