k-takahashi's blog

個人雑記用

ワールドコン NIPPON2007

(9月3日に修正)
 昼前に家を出て、みなとみらい線パシフィコ横浜へ。
駅につくと、なにやら証券会社の宣伝講演会があるらしくあちこちに案内が立っている(隣の建物だったらしい)。もっとも、「ああ、この人達は多分ワールドコンだな」と目を付けた人達は、皆正しい方向に向かっていくので安心と言えば安心。

登録

 
 登録中にLANだかDBサーバだかが落ちてしまいかなり待たされたが、無事に完了。名前入りの名札を貰いました。これを常に見えるところに下げておく必要があります。一人一人の処理に意外と時間がかかるので、明日以降行く人は時間に余裕を取ることをお忘れ無く。


 会場の入り口を入った真っ正面が時刊新聞です。原稿の受け取りや配布の手間のことを考えてのことでしょうが、場所柄どうしても受付やインフォメーションデスクと勘違いされるわけです。こんな記事も。


ワールドコンの歩き方 1 How to travel with Worldcon 1

 レジストレーションに時間を食ったため、途中から見学。内容は基本的なことの確認が中心で、「積極的に英語セッションにも参加してみましょう。あの作家の顔を見るだけだっていいじゃない」とかも。


恒星間旅行 Interstellar travel

 エンジニア兼作家のDavid Nordley氏による恒星間飛行についてのプレゼンテーション。面白かったのは

  • 惑星の公転周期でソートすると、多くの恒星について居住可能圏は割と同じ辺りに来る
  • エネルギー単位としてZJ(10の21乗J)を利用。ちなみにCJでよく使うtc^2がほぼ同じくらいになるはず。
  • 竜の卵ロシュワールド式のソーラーセールだと、加速度は思ったよりかなり小さい。
  • Mass Beamという推進方式。ソーラーセールでは太陽系から光を送るが、質量のある物質を送ってしまうというアイディア。うまく調整するとエネルギー効率が非常に高くなるとのこと。さらにNordley氏はその質量に終端誘導システムを組み込むというアイディアをBISに提出しているのだそうだ。


 Mass Beamのアイディアは面白いと思ったので公開資料が無いかと聞いてみたら、、氏のウェブページに資料があると教えてくれた。 http://www.gdnordley.com だそうです。


SFにティーンエージャーをもっと引き込む方法 How to Make SF More Inviting to Teens

 前のセッションのあとしばらく質問とかしていたので、途中からの聴講。
これは完全英語セッションで、しかも文脈とか前提とかが今ひとつ分からないので、きちんと話が聞き取れませんでした。


 マーケティングの話(学校図書館に営業をするとか、アイスクリームとコラボするとか、まじめなんだかホラなんだかよく分からない話が入り交じっていた)、ハインライン風ジュヴナイルでいいのかどうか(最近の子供が読むにはリアリティがないだろうとか)、小さいうちからきちんと理科教育をするのがSF振興に必要、YA小説との棲み分け、他メディア(マンガ、アニメ、ゲーム)と競争しているのか協力していけるのか、ハリーポッターを読む子供の大半はハリーポッターしか読んでいない、などなど。細かい部分はさておき、根本的な問題意識は日米でそれほど違いはないような印象でした。


 アメリカの子供向けにストーリーダイジェストを付けて推薦本を紹介するというサービスがあり、SFがこれに載りにくいとかいう話もしていた。理由はよく分からなかったがなんだったんだろう。


 あとは、ティーンはクチコミで動くことが多いね、やはりSNSか、そういうのってSFは駄目なんじゃとかも、なんか日本の議論とほとんど変わらない(日本だと、ケータイ文化になるわけですが)。


 自分達が子供の頃と現在とで何がどう違っているのか、勿論違っているものはたくさんあるのだが、その中でSFの振興にとって本質的な差は何で、何をどう活用するべきなのかというのを探っているのだろう。


オープニング Opening ceremony

 予定より15分ほど遅れて開始。メインホールが完全に満席でした。


 中田横浜市長の挨拶(人力車に乗って登場してウケを取っていました。)、オープニングアニメ(比較的穏当にまとまってました)、大会委員長挨拶(日本語が通じる初のワールドコンです)、GOH紹介、メインスタッフ紹介、祝電披露、諸注意、という感じの進行。映像は、そのうちあちこちに上がるんじゃないかと。
 井上委員長。手に持っておられるのはワールドコンの閉開会を告げるハンマー
 GoH
 スタッフ(の一部)

 柴野拓美氏のスピーチの最後で、海外の方々がスタンディングオーベーションしていました。スピーチは、昔の同志の多くがこの日本開催のワールドコンに来られなかったことなど少々年寄り趣味臭くなってしまった面もありますが、氏の長年の功績への評価は海を越えて伝わったということでしょう。


 なお、祝電を送ってきたのは麻生太郎外務大臣開場会場の爆笑の雰囲気は「やっぱりな」。