k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2007年12月号

 特集は「新・進化論」。「ダーウィンも知らなかった」という副題が付いているが、中立説の紹介と遺伝子関係の色々な話が「ダーウィンの知らなかったこと」という位置づけのようだ。遺伝子の進化と形態の進化とが必ずしも一致しないことも触れられており、「カンブリア爆発では、たくさんの遺伝子が新たに作られたのではなく、すでに存在していた遺伝子の利用の仕方を変えることで、形態の多様化を実現したのでしょう」という宮田隆氏の論を紹介している。


 最近街中でよく見かけるようになったAED。心臓突然死の死者が日本で1日150人おり、これがAEDで助けられる可能性のある母数となる。心臓突然死の原因は心室細動という心臓の痙攣であり、簡単に言うと心拍制御の信号の混乱である。この混乱を電気ショックにより揃えてやるのがAED。一拍が約0.9秒として、そのなかのT波直前の0.01〜0.03秒の期間が信号の混乱が起きやすいタイミングで、ここに物理的ショックなどを受けると発症する可能性があるのだそうだ。 子供の場合ショックが心臓に到達しやすいため大人よりも報告例が増えるのだという。 理屈がよく分かりました。


 あとは小ネタで面白かったのが2つ。1つは70ページに掲載されているサメの写真。イメージとしてよく語られる「ジョーズ」そのままの写真。迫力満点。もう一つは紅葉の理屈。落葉前にまだ使える養分を回収するのが有利だが、老化が進むとクロロフィルが分解し日光により対象物質が破壊されてしまう。それを防ぐために光をブロックする傘として色を付けるのだそうだ。特に赤い紅葉の元となるアントシアンは活性酸素を除去する能力もあり、この説が有望視されているのだそうだ。