k-takahashi's blog

個人雑記用

世界一やさしい問題解決の授業

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

 元マッキンゼーコンサルタントであった渡辺健介氏が、中学生を対象にして書いた問題解決手法の解説本。中身は、非常にオーソドックスなもので、MECE、仮説検証、ギャップアナルシスと言った内容が(勿論、そういう言葉を使うことなく)解説されている。


 バンドの演奏会にお客さんを呼ぶ、年末までにパソコンを買う、といった分かりやすい事例を用いており、説明も丁寧。確かに中学生でも理解はできると思う。ただ、「なぜこういう手法を採るのがよいのか」というところを中学生に納得させるのは難しいような気がする。一応「気合いでゴー」では無駄が多いよ、という説明が冒頭にあるのだが、これで足りるかどうかは疑問。
 実際に大人の間でもよく見られるのが、きちんと考え抜くことの大変さに音を上げて、途中で投げ出してしまうパターンや、決めたことをきちんと実行できずに頓挫してしまうパターン。そうなってしまうくらいなら「気合いでゴー」の方がまし、となってしまう。そこをどう説明するか、というのはやはり大人がきちんと実例を見せないとダメなんだろうな。


 中学生向けの本ですが、分かりやすく丁寧なので大人が読んでもよいです。ま、大人はその後に、もっとちゃんとした本も読むべきでしょうけど、とっかかりとして。