k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2008年5月号

 特集はアルファベット。紀元前32世紀のヒエログリフに遡るのだが、面白かったのが、ワディ・エル・ホル碑文を発見したダーネル教授のインタビュー。ヒエログリフ表音文字表語文字(昔は表意文字と言っていたが、最近はこう言うらしい)、音節文字がまざった文字体系だが、そのヒエログリフ表音文字をもとに作られたのが同碑文の文字だそうだ。その理由はアジア人ではないかという説。つまり、ヒエログリフを使うエジプト人は自分達の名前をヒエログリフで書く。しかし、その体系に合わないアジア風の名前を表記するには表音文字だけを使って発音ベースに書くしかない。そうやってアルファベットが生まれたのではないか、というのである。ちょっと面白い話。


 チューリップの写真集も面白かった。日本のアサガオ同様に、新品種が山のようにある花(約5000種類あるそうだ)で、花の色形は様々。でも葉っぱはチューリップなんですね。その品種改良は実はかなりの難作業。球根はクローンだから、交配による品種改良のためにはタネを使わなくてはいけない。しかし、タネを蒔いても花が咲くのは5年かかるのだそうだ。
 もう一つ面白いと思った話が、ヨーロッパ最古のチューリップ記録の話。コンラート・ゲスナーという博物学者が1561年に描いたスケッチがそれなのだが、なんと、このチューリップは現存しないのだそうだ。交配種か突然変異らしい。