k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2008年8月号

Newton (ニュートン) 2008年 08月号 [雑誌]

Newton (ニュートン) 2008年 08月号 [雑誌]

 特集は「宇宙の超未来」。現在想定されている最も可能性の高いシナリオというのがあって

  • 数百億年後には銀河団に含まれる各銀河が合体し、一つの巨大銀河になる
  • 1500億年後には、銀河団間の距離が大きくなり、後退速度が光速度になるため互いに観測できなくなる
  • 数兆年後には、材料物資の枯渇により恒星が生まれなくなる
  • 10の23乗年後には、宇宙はブラックホールだらけになる
  • 10の32乗年後には、陽子崩壊により、宇宙から原子が消滅する
  • 10の100乗年後には、全てのブラックホールが蒸発する

というものらしい。
 ところが、厄介なことにダークエネルギーの量によっては、別のシナリオもあり得るのだとか。例えば、ダークエネルギーが徐々に増加する場合は、宇宙を膨張させるエネルギーが徐々に増えることになるため、最終的にはこのエネルギーにより原子がバラバラになってしまうのだとか。このダークエネルギーの変化については、現在すばる望遠鏡が観測実験中。
 別のモデルとして、超紐理論から出てくる仮説として「宇宙は膨張・収縮を繰り返して大きくなってきた」説というのがある。最初は膨張してすぐ縮んでしまう。次はもうちょっと大きくなるまで膨張してから縮む。これを繰り返して約50回目なのが現在の宇宙だ、という話。驚いたのは、この理論の証拠が「観測できるかもしれない」というところ。一世代前の宇宙が放出した重力波が現在の宇宙に伝わってきていれば、それが背景輻射の偏光として観測できるかもしれない。書いている私もよく分かりません。でも、こういう話は聞いていて楽しい。


 写真は、地球の様々な風景を写したものが多数掲載されている。地形ならグーグルマップでも見られるけれど、気象写真や氷山衝突の写真はこういう風にまとめて貰えると嬉しい。スパイダークレーターはTechnobahnにも載っていました(http://www.technobahn.com/news/2008/200804021731.html)。


 リテラシー関係の記事として「世論調査の正しい知識」というのが載っている。誤差や信頼度区間の簡単な解説記事。「前回調査の支持率が31%、今回は29%。支持率は低下する一方です」という言い方がおかしいことを知りましょう、というお話。