ディスカバリーチャンネルで放映されていた "Egypt's ten greatest discoveries"(2007)をビデオ鑑賞。なぜか、wikipediaに細かい説明がある(http://en.wikipedia.org/wiki/Egypt%27s_Ten_Greatest_Discoveries)が、私が見たのは日本語吹き替え版。
エジプトのザハリ・ワス博士がガイド役となって、古代エジプトに関する大きな発見について解説する2時間番組。その10個とは、
- クフ王のボート:ギザのピラミッドの近くで発見された当時の舟。1200個の部品がきちんと保存されていた。当時他の文明は丸木船しかなかっので、巨大な舟を持つエジプト文明は圧倒的な優位性を持っていた。
- 加工中のオベリスク:アスワンの石切場で発見された、途中で放棄されたオベリスク。重量は1000トンを超えるという。周辺を調べた結果、加熱・冷却の方法で切り出していた証拠が見つかっている。
- ピラミッドの労働者:奴隷が働いていたのではないという証拠が次々に見つかっている。実際、農民よりも待遇は良かったらしく、怪我をきちんと治療した跡の残っている人骨も発見されている。
- ツタンカーメンの墓:CTスキャンの結果、いわゆる「出っ歯」だったことが最近判明した。
- デイル・アル・メディーナの遺跡:まるごと遺跡として残っていた職人の街。オストラカという石片に書かれたメモが大量にみつかり、当時の庶民の暮らしを伝える重要な資料となった。
- セティ1世の墓:当時のエジプト人が考えていた「死後の世界」を示す資料で、死後はこういう風になるという絵が大量に描かれている。普段は公開されていない貴重な映像。
- アクミムの失われた神殿:エジプト中部の街アクミム。現在も人が住んでいるため自由な発掘ができないが、断片的に見つかった遺跡により、巨大な神殿がある可能性が指摘されている。
- アブシンベル大神殿:ラムセス2世を讃える神殿。当時のファラオは軍人と神官の両面を併せ持つ存在だったが、彼はヒッタイトとの戦争に決着を付けてしまったがゆえに軍人として功を示すことができなくなった。そこで、現人神化を進めた。それがアブシンベルに示されている。
- 移されたミイラ:多くの墓が墓荒らしの餌食になったが、それは国が乱れたときに半ば産業として行われている規模だった。ルクソールの神官達はこれに対抗して、ミイラを別の場所に移したが、その際に副葬品をはぎ取っていたらしいことが分かった。
- バハレイヤの黄金のミイラ:エジプトに侵入したローマ人が作った街バハレイヤ。ここにある大きな墓には彼らの歴代の遺骸が残されている。最初はローマ風に埋葬されていたが、次第にエジプト風を取り入れ、仮面をつけたり、最後には黄金で覆うことまでしていた。
各エピソードは10分程度で軽く概要を説明している。遺跡の風景がたくさんあるのが楽しい。