クトゥルフ神話TRPG ラヴクラフトの幻夢境 (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者: クリス・ウィリアムズ,サンディ・ピーターセン,ほか,坂本雅之
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/02/21
- メディア: 単行本
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ドリームランドというのは、クトゥルフRPGでは少々扱いが難しいアイテムのひとつです。夢の世界だから何でもありかというとそうでもなかったりするので。 クトゥルフ神話は割と「何でもあり」的に扱われることが多く、また多くのファンもその多様性に対して寛容な場合が多いのですが、それは神話的題材が現実社会に現れる場合であって、ドリームランドという完全な異世界に行ってしまうと少々勝手が異なります。普通の現実世界と異常な神話的事件という対照ではなく、異世界における異常性を扱わなくてはならないからです。
”クトゥルフ神話TRPG”はムードのゲームであり、雰囲気がゲームを楽しいものにするための重要な要素の一つなのだ。日常的なものの詳細、例えば自動車や路面電車とか、ホテルの部屋の細部などは、覚醒の世界のシナリオの中ではプレイヤーの想像力に委ねられているが、ドリームランドのプレイにはそういったものを全て包み込んでいるそれらしい雰囲気が必要だ。それはキーパーが正しく提示をしてやらなければならないもので、さもなければ、プレイヤーは探索者が夢の世界を探検しようとしているのだと言うことを感じられず、単に普通のファンタジーTRPGをしているのだと思ってしまうことだろう。(p.17)
ということで、私もシナリオでまともにドリームランドを扱ったことは無かったのですが、本書にはドリームランドについて整理された情報がひと揃い入っているだけでなく、6本のシナリオが含まれています。簡単な導入に使えるものから、「これはBローズのシナリオですか?」と頭を抱えたくなるもの(「失われた夢の国」)まで揃っていますので、順次使っていけば良いかと思います。
特に導入用のシナリオ「眠れ、夢見よ」は、他のキャンペーンに取り込むことも可能な構成です。覚醒の世界では死んでしまったキャラクターに遭遇することが可能なので、キーパーはここだけでもストックとして押さえておくとよいでしょう。キャンペーン中の事故とかに対応する手段が一つ増えたと考えれば良いのですよ。