クトゥルフ神話TRPG入門 るるいえびぎなーず (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者: 内山靖二郎,アーカム・メンバーズ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/11/30
- メディア: 単行本
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プレイヤーは、謎を解き明かし事件を解決しようと努めるキャラクター"探索者"の役を引き受ける。(p.46)
クトゥルフをネタにした、TRPG入門書。よく書けていて、ビギナーがよく引っかかる話題は、解決策も含めてかなりカバーできていると思う。動画サイトなどで興味を持った人向けとして、入門書としてはお勧め。
例えば、pp.13-17にはこんな解説が並んでいる。
- キーパーは敵ではない
- 自由は断るためのものではない
- TRPGにはルールがある
- 想定外の面白さ
初心者にまずこれを伝えるだけで防げるトラブルは多い。
あるいは、pp.62- の「探索のノウハウ」のところ。
そんなときに、このお約束を思い出してくれれば、ゲームをスムーズに進められる、そのくらいのものだと思っておいてほしい。(p.63)
として、
- 図書館に行く
- 新聞社に行く
- 日記を読む
- 魔道書を読む
- 現場を調べる
- 聞き込みをする
というのが並んでいる。これはプレイヤー向けのガイドでもあるし、キーパー向けには、「これに対する対応は、事前に考えておくように」というガイドにもなっている。
p.158 の「正気度喪失への印象表」も、コンベンションとかだと共通認識のベースとして良いと思う。コピーしておくと良さそう。
キーパーの方からだと、p.198の部分が面白かった。
「わかりやすく、それでいて意外性のある解決方法」という問題に対する内山先生の回答の一つは、
まず、シナリオの早い段階で探索者達に、その場ではなんだかわからない手がかりを提供する。
それは、使い道の分からないアイテムでも良いし、意味の分からない伝承のようなものでもいい。
とにかく、それ単体では何のの役にも立たないけど、どこか思わせぶりで重要そうに思えるものにするのがいいだろう。
そして、シナリオが展開して、情報が集まってくると、その最初は意味が分からなかったものが、この事件を解決するための重要な鍵であることに気付く。(p.198)
たしかに、「るるいえ」シリーズでは何度も出ている方法。
ところで、個人的には本書はちょっと読みづらかった。
「るるいえ」シリーズのキャラクターがプレイヤーやキーパーとなってクトゥルフのプレイを実践するという形式で、「アイマス×クトゥルフTRPG」というような動画はメジャーだから別に悪い方法では無いと思う。
ただ、私はPCの後ろのPLを見ながらこの手のリプレイは読むので、この形式だと、三重構造(プレイヤー〜るるいえのキャラクター、るるいえのキャラクター〜るるいえのキャラクターが本書でTRPGをプレイする、そのときのキャラクター)あるいは、そこに更に編集(内田靖二郎氏)が入った四重構造を見ながらになってしまうんですよ。
まあ、こういう人は少数派だろうとは思いますが。